<第216号> Same Page

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第216号>
Same Page
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

急に寒くなりました。
寒くなって、厚着をして丸くなって歩いていると、
薄着で走り回っている子供達を見て、
すっと背筋を伸ばす、という経験をよくします。

薄着で走り回っている子供達同様に、
すっと背筋が伸びているのが、
若いお母さん達。

寒い中でも、自転車に子供を乗せて、
子供と会話をしながら楽しそうに自転車を走らせています。
暑いも寒いも現実ですが、
気持ちや態度まで気候に左右される必要は全くないということを
教えてくれてます。

今週、最初に入社した商社の大先輩にお会いできました。
私がその商社を辞めてから15年。
15年経つといろんなことが変わっています。
そもそも、変わっていないことなんかありません。
でも、お会いすると、本質は何も変わっていません。

変わったのは、名刺のデザインとか、オフィスの場所とか、所属する会社とか、
外見ばかり。
外見が大事かと思っていたら、外見には何も意味がないことに気がつきます。
そして、外見よりも、目の前の飯や酒がうまいかどうかの方が、
ずっと重要であることに気がつきます。

渋谷や新宿が再開発されています。
東京はどんどん素敵になっていきます。

素敵になっていく東京は、
そこに住む人のためのものであり、
そこを訪れる人のためのものであり、
金儲けをする人のためのものでもあります。

この全部の条件が揃わないと、実現しません。
だから実現して、素敵になった街は、賑わいを作り出すのだと思います。

変わる前からそこにいる人もいれば、
変わってからそこにやってくる人もいて、
全くそこに関係ないけど、投資をしてマージンを稼ぐ人もいます。
ハッピーになる人もいれば、
アンハッピーになる人もいて、
100点満点になることは絶対ないけど、
多数決で決めてはならないことも絶対です。

第一次世界大戦で、ヨーロッパの構造は変わりました。
ドイツ、オーストリア・ハンガリー、オスマン。
それぞれの帝国が解体し、たくさんの国ができます。
住んでいる人は変わらなくても外見が変わり、
戦争が起こります。

戦争は外見を変えました。
世界大戦は終わりました。
外見は変わっても、イギリスが破ったアラブ社会への2つの約束は、
今もそれぞれの地域で世界の紛争に根を降ろしています。

日本も中国も、イギリスとともに第一次世界大戦をドイツと戦いましたが、
勝利後、ドイツの山東省の権益を得たのは中国ではなく日本。

外見が変わっても、気候が変わっても、
人の気持ちは変わりません。

雨が降り、大地を洗浄してくれ、そこから新しい命が生まれます。
すべては生まれ変わるのに、
約束を破ったという事実は、残り続けます。

人生100年あるとして、
一つも約束を破らずに100年を過ごすことはなんて難しいことでしょう。
1年が365日あるとして、
一つも約束を破らずに1年を過ごすことはなんて難しいことでしょう。
1日が24時間あるとして、
一つも約束を破らずに1日を過ごすことはなんて難しいことでしょう。

さて、本号の内容です。

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<第216号> Same Page

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売り手がいれば、買い手がいます。
売買にはどちらも必要。

売り手は売り手の利益のため、
買い手は買い手の利益のために動きます。
だから最適な位置に辿り着くために交渉があります。

最初から自分の利害をすべてオープンにしていたら、
交渉相手の都合のよいように調整されてしまうから、
交渉では手の内を最初から見せずに、
少しずつカードを切っていきます。

そのため交渉は腹の探り合いと言われます。
腹が減っていれば手を出してしまいます。
手を出したら負け、
みたいなニュアンスもこの言葉には含まれているように感じます。

しかしこれは利害を調整する段階の話です。
一旦合意したら、売り手と買い手は
信頼によってつながったパートナーです。
この段階でまだ腹の探り合いをしていると、
信頼関係を損なうことになりかねません。

目的が合致したら、お互いに同じ方向を目指します。

それでも人間と人間の間の取り組みだからミスは発生します。
ミスのために目的が達成できないことなどいくらでもあります。
もしかしたら腹の探り合いをしていたが故に、
ミスが発生してしまうということもあるでしょう。

ミスが発生した後で、まだ腹の探り合いをするのは最悪です。
しかしながら残念なことに、それは現実に存在します。

ミスの原因を相手側にもっていこうとする人はいくらでもいます。
しかしこれは絶対に良い方向には進みません。
結果として、自分たちの責任を逃れたとしても、
うまくいかなかったという事実と、
責任転嫁をする人であるという事実の2つだけが残ります。
単純に考えて、何もメリットはありません。

合意して、ビジネスがスタートしたら、
お互いの手の内を見せ合って、同じゴールを目指すことが必要です。
Same Pageに立つという表現が使われますが、
これはよくできた言葉だと思います。

5つの製品があるとして、
5つの製品のそれぞれの工程があるとして、
5つの製品をすべて同時に納品する契約だったとします。

売り手が、納期通りに製品を納品できないことが判明しました。
納期の1日延長が必要です。
そこで売り手が行うべき行動はまずはわかった段階で直ちに買い手に報告。
次に行うべきは納期延長のリスクエストです。

実は、売り手は5つの製品のうち、4つの製品は納期よりも早く仕上がっています。
遅れるのは少し手間がかかる1つの製品のみです。

ところが、実は、買い手は5つの製品は同時には必要ありません。
買い手にとって納期厳守が絶対に必要なのは、先に仕上がるかもしれない4つの製品ではなく、
遅れることが分かった1つの製品です。

こういったことがわかると、実は、売り手が行うべきは、
先に仕上がる予定の製品へのリソースを遅れる製品へのリソースに回し、
納期が遅れる予定の製品の納品を前倒しすることです。
その結果、製品全部としての納品はさらに遅れたとしても、
必要な製品を前倒しでき、買い手には被害は発生しませんでした。

もし、売り手が、それぞれの製品がどういう状況にあるかを、
買い手に報告せずに「1日遅れる」として情報を開示しなかったら、
こういった調整はできません。

もし、売り手が、納期が遅れそうなことを隠して、
ギリギリまで無理して、品質よりも納期を優先し、
その結果納品後に欠陥が発生したら損害はさらに大きくなります。

Same Pageはパートナーシップにある関係にとって不可欠。
国内の企業同士ならば、「あ、うん」の呼吸で、
Same Pageが実現していることもありますが、
グローバルビジネスでは、そこまでもっていくことは難しいです。

だから、Same Pageを実現することそのものが、
グローバルビジネスを遂行する上で、
不可欠なスキルとなっています。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

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2023-11-19 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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