<第210号> 紙のカタログ

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第210号>
紙のカタログ
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

梅棹忠夫著「文明の生態史観」を初めて読みました。
いろんな本で引用されているので、
前から気になっていたのですが、
実際に実に面白い。

大陸の周辺部である西ヨーロッパと日本を同じ地域分類として定義し、
内陸部と対比した考え方は様々な革新的な発想を提供してくれます。

読んでいて、
私たちがどこかに向かっているようにも感じさせてくれ、
どこかでぐるぐる回っているようにも感じさせてくれます。

50年も前の論文が今も新鮮な切り口を提供してくれます。

第一地域にも第二地域にも定義されていないアメリカ。
原子爆弾やインターネットを生み出したこの国の生態史観は
辺境部とも内陸部とも全く異なるはずです。

技術と金融とイデオロギーの力で世界を統治したアメリカ。
ふと立ち止まってみると、
イギリスと似ているようで似ていない。

ヨーロッパもロシアも中国も日本もインドも、
こういう覇権の持ち方の発想そのものを持っていなかったはずです。

一方で今中国が覇権を拡大しようとしているやり方は、
いわゆる内陸部の国がこれまでやってきたやり方。

秦の時代の合従連衡の発想に通じるものを
ロシア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米への政策
で感じます。

世界地図を平面で見ると、
日本はアメリカと中国の境界線にあります。

世界地図を上から見ると、
ヨーロッパが左から、日本が右から、アメリカが上から、インドが下から、
中国とロシアを挟んでいるように見えます。

だから、中国、ロシア、アメリカ、どの国も
地政学上の戦略から宇宙を目指しています。

今の世界地図を見ても、
文明の生態史観がそのまま当てはまっているように感じてしまいます。

アメリカからは、ニコラ・テスラのような、
世界中を太陽エネルギーによる無線の電力ネットワークでつなぐという
とてつもない発想が生まれます。
100年たって、ニコラ・テスラの名前を企業名として冠した会社が、
世界経済を舞台に大暴れします。

今、日本が持っているプレゼンスは平和憲法。
77年たって、改正するのかしないのか、
という議論からの脱却すらしていません。

4000年以上続くやり方で領土を拡大しようとしている中国と、
革新的な発想で世界中を席巻しようとし続けるアメリカ。

その間にあって、恵まれた自然と優秀な人材と発達した産業を持つ日本。

50年後、私たちは、
英語を話しているでしょうか?
日本語を話しているでしょうか?
中国語を話しているでしょうか?

今、漢字、ひらがな、かたかな、アルファベットの
すべてを使っていることを考えると、
ある程度答えは見えているような気がします。

さて、本号の内容です。

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<第210号> 紙のカタログ

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今世界中の製造現場で、
全員が冷暖房が完備された部屋で、
パソコンを見ながら仕事をしている。

という状況にはなっていません。

現場の方々が汗をかきながら、
手を動かしてくださっていることで、
世界経済が動いています。

オフィスで何か必要なものがあれば、
今はインターネットでピュッと発注すれば、
翌日には配送されます。

しかし、製造現場の人は日々パソコンを使っているわけではないので、
インターネットでピュッと発注、
は必ずしも便利ではありません。

そのそも、製造現場で使われている材料や生産材は、
どれも専門性の高いもの。

ペンとかノートのように、
どんなメーカーものでも、
使いやすさの違いはあっても、使う分には問題ない、
といったものではなく、
「これでなければダメ」というものばかりです。

生産現場では
命を守る大切なツール、
生産のために欠かせないツール
がたくさん使われています。

たとえパソコンがあったとしても、
インターネットでこういったツールを探そうとしても、
こういった専門的なツールは
検索しても簡単には見つかりません。

だから、製造現場には、
カタログがたくさんあります。
そして、そのカタログには連絡先が記載されていて、
専門知識を持った人が、
ニーズに応じてきちんと説明してくれます。

いくらテクノロジーが発達して、
チャットボットが代わりに説明してくれるようになったとしても、
紙のカタログの重要性に変わりはないでしょう。

製造現場におかれている紙のカタログは。
立派な写真で製品の説明をしている内容が、
500ページといったボリュームで存在しています。

このカタログはかなりパワフルなマーケティングツールです。
全製品情報が一覧になっていて、
ユーザーがどういうことを知りたいかということに答えるための
洗練された設計が出来上がっています。

日本と海外では、マーケティングの仕方が全く異なりますが、
この製造現場のカタログの使い方は、
原則として世界中同じです。

日本で製造現場向けに分厚いカタログを提供している企業は、
そのカタログを英語やドイツ語等に翻訳すれば、
グローバル展開への大きな足掛かりをつかむことになります。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

牧野 好和

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2023-10-01 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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