<第195号> バリュー
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第195号>
バリュー
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
氷山の一角という言葉があります。
水面に出ているのはごく一部。
大部分は水面下にあり、見えていない部分の方が多いということで、
リスクマネジメントではとても重要な言葉です。
上が2割、下が8割というのは普遍的な原則です。
2割の製品が8割の売上構成比を占める、
売上の8割は2割の顧客に依存している、
2割の営業が8割の売上を稼ぐ、
ビジネスの世界ではほぼこれらのことが当てはまります。
大きな母数の人間集団の活動に、
何らかの分類分けを当てはめようとすると、
自然現象と同じような構成比に自動的になるのは、
地球の重力含めたエネルギーの法則が何かしらの影響を与えているのではないかと思います。
そのように考えると、人々はこの普遍的な構成比から逃れることはできないのではと思います。
一定の母集団の中で頭角を表そうとすると人は上位2割に入ろうとします。
考えてみると、これは不思議な現象。
スケールが当てはめられると、人はなぜか、自然の法則に逆行します。
マジョリティよりもマイノリティになろうとする。
マイノリティの方がマジョリティよりも上位にあると考える。
度量衡はチグリス・ユーフラティス文明と黄河文明の両方でそれぞれ生まれたと言われています。
西洋の度量衡は、世界地図をオセロのようにしました。
薩長を支援したイギリスと、幕府を支援したフランス。
日本もその例外ではありません。
0と1の組み合わせが今も世界をバタバタとオセロにようにひっくり返しています。
東洋の度量衡は、律令を生み、朝貢関係を構築しました。
日本の歴史の大部分は、中国との朝貢関係でした。
大政奉還後の征韓論は、中国との朝貢関係にあった朝鮮と、
中国と対等と考える日本の政治的なバランスが発端でした。
明治維新後に、日本は西洋流のスケールを当てはめるようになり、
西洋のやり方で、上位2割に入ろうと、自分たちのスケールとは別の、
外側のスケールを当てはめて、背伸びを始めてしまったのかも知れません。
西洋から見ると、日本は極東。
でも日本を真ん中にした世界地図では、日本は西洋と東洋の境界線にある国。
明治維新、そして太平洋戦争を経て、
黄金の国ジパングという幻の国ではなく、
経済大国にっぽんとして、
GDPという西洋のスケールでの上位2割に入りました。
中国との朝貢関係に戻るのは決して正解ではありません。
それは過去。
では、GDP3位に固執するのは果たして正解でしょうか?
広島サミットは、世界が日本に対して、
「経済大国にっぽん」を期待しているのではないことを感じました。
西洋の度量衡でもなく、
東洋の度量衡でもなく、
日本には日本独自の度量衡が存在していました。
升の酒を一緒に開けることで、同じ盃を酌み交わした仲間。
日本は、日本独自の度量衡で考え、
そのイデオロギーを世界に発信することができるように感じます。
さて、本号の内容です。
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<第195号> バリュー
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新しい価値を提供する。
パイの奪い合いでは誰もが疲弊すると考えられるようになってから、
このバリューという言葉がキーワードとなりました。
「新しい」価値には二つの方向があり、
全く新しい価値を提供することと、
既存の価値を新しい概念に置き換えること。
DXと言われているものは後者であり、
これまでアナログで取り組まれてきたものをデジタルに置き換えるということで、
大きな市場が形成されました。
ERP化、クラウド化、IoT化、AI化とハイピッチでこの市場は成長しています。
デジタル化により、既存の価値の分だけ新しい価値が存在しています。
自動運転、無人店舗、工場の自動化など、人間が提供してきた価値を
ロボットが提供する価値に置き換えるために、
これからもどんどんとこのトランスフォーメーションは進んでいくはずです。
既存の価値を新しい概念に置き換えるために、
どんどん細分化していくことが行われています。
例えば、自動運転の実現のためには
既存の運転をいくつかのステージに分けて、
走る、止まる、曲がる、障害を認識するなど、
ステージの一つ一つを自動化で達成していき、
最終的に一台の車が自動で運転されるようになります。
一台の車が自動で運転されると、
今後は複数の車が自動で運転しても問題ないことが検証され、
それが検証されると今度は
自動運転されている環境下に人間が入っても問題ないかどうかということが検証され、
そうやって、新しいデジタル社会のインフラが実現していきます。
新しい社会が実現するためには莫大な規模の協業が必要であり、
その協業は経済効果があって初めて成り立ちます。
一つの建設を完成するためには、ゼネコン、サブコンと下請構造が必要であり、
新しい社会インフラの構築も同様の構造になっていくでしょう。
下請けではなく、ゼネコン側になろうとする企業が、
デジタルの世界では、プラットフォーマーと呼ばれています。
そのため、既存の価値の分だけ、これからはプラットフォーマーが誕生していくでしょう。
一方で、前者の今存在していない新しい価値もまだまだたくさんあります。
楽しい、美味しい、美しい。
人の感じる価値は普遍的であり、その価値を創造する力は、
人間の数の分だけ、存在していて、
その価値を享受するマーケットも人間の数の分だけ存在しています。
ワクワクするビジネスには不況はない、と言われます。
この「クリエイティブ」の経済的な価値も高まっています。
ブログ、インスタグラム、ユーチューブなど、
誰もが「クリエイティブ」に参画できるようになり、
そしてその「クリエイティブ」が世界中に無料で発信できるようになっています。
NFTのようにそのクリエイティブのデジタル上の権利を売買できるようにもなっています。
この「新しい価値」についても、作る側と売る側が別れています。
もともと作家と出版社、画家と画商、が別れていましたが、
デジタル化でますますこの棲み分けは進んでいくはずです。
グローバルで、
「既存の価値」を一緒に置き換えられるリソース
「新しい価値」を創造できるリソース
をいかに見つけ出すか?
これが、これからのビジネスでますます重要になっていくことは間違いないと思います。
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