<第185号> LQA
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第185号>
LQA
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
先週は金融機関の話題がホットでした。
改めて、ビジネスの基盤は信用であると感じました。
銀行を信用するから、預金者はお金を集める。
企業を信用するから、銀行はお金を貸す。
莫大な信用力をつく人の名前がついてる金融機関
ゴールドマン、モルガン、バークレイズ、三菱、三井、住友など。
国家の信用力を感じさせる金融機関
バンクオブアメリカ、中国商工銀行、インドステイト銀行、ロシア貯蓄銀行
金融機関の名前は重要だと感じます。
背景は異なっていますが今話題になっている金融機関の名前は、
ファースト・リパブリック銀行
シリコンバレー銀行
クレディ・スイス証券
何をしている金融機関なのかよく知りませんが、
なんか信用できそうな名前です。
信用を証券化して流通することで、
金融の市場規模は実態経済の市場規模の何倍にも膨らみました。
いまさら金融市場がファンダメンタルズの規模に戻ることは考えられません。
ただ、ファンダメンタルズとの乖離には矛盾が存在しているのも確か。
信用をビジネス基盤とする金融ビジネスそのものの信用に
クエスチョンがつく可能性も皆無ではないと思います。
信用が過信になると、バブルです。
ファンダメンタルズとの乖離はつまりはバブルです。
誰もがそのことを知っているから、
バブルを弾けさせないように頑張っています。
ただ残念ながら、
バブルの大きさまでファンダメンタルズが大きくなることはありません。
バブルがファンダメンタルズの大きさまで小さくなることもありません。
バブルが弾けないように、バブルが弾けそうなところにツギハギをしてきた結果、
バブルとファンダメンタルズとの乖離を大きくし続けているのが現実。
ノーベル経済学者を輩出しているシカゴ学派ですら、
一旦破壊して作り直すという政策提言はしないでしょう。
どのような方向性が提示されるのか?
それを提示するのは誰なのか?
これから数週間の動きは注目です。
さて、本号の内容です。
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<第185号> LQA
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LQA – Linguistic Quality Assurance
ゲームでは、各国向けにタイトルをローカライズする上でLQAが不可欠です。
例えば自分のことを
「オイラ」というキャラクターと
「ワシ」というキャラクターがいたとします。
それが英語になったときにすべて、「I」になってしまうと、
キャラクターの個性の一つが失われてしまいます。
そのため翻訳の際に注意して個性を尊重した翻訳をするのですが、
実際に実機に実装してみないと
それらの個性がきちんと発揮されているかどうかわかりません。
また膨大なコンテンツがある中で、きちんと
「オラ」と「ワシ」が使い分けられているかどうか、
品質保証という意味でもチェックする必要があります。
このためゲームの世界では、ローカライズの際には
LQAは翻訳とは別の、不可欠な工程として位置付けられています。
LQAはゲームの世界だけではありません。
例えばeコマースのWEBサイト。
いまではポイントがついたり、決済には様々な要素が絡みます。
これを単純に翻訳だけして実装したところ、
ポイントや通貨の説明がしっかりとしていなかったために、
ユーザーが正しいプロセスを理解できず、
本来ポイントがついたり、ポイントが使えたりといったことができないと、
サービスそのものの信頼を失ったり、
大クレームに繋がったりします。
WEBアプリケーションの領域が広がれば広がるほど、
仕組みは複雑になります。
複雑になったソフトウェアを多言語化する上で、
実装する前の翻訳と、実装した後のチェックは同じくらい重要です。
そして複雑になればなるほど、
翻訳だけでチェックをしないことのリスクは大きくなります。
しかし日本の企業はソフトウェアのローカライズの際に、
このLQAのプロセスを飛ばしがちです。
海外のアプリケーションが日本語になっているのと同じ感覚で、
自分たちの多言語アプリケーションがきちんと各国の言語になっていると
勝手に考えてしまうのは、仕方がないと思いますが、
現実はそうではありません。
海外企業にとって日本は大きな市場です。
日本という一つの市場に対して
ソフトウェアを投入するために、
どの国の企業も日本語へのローカライズには、
LQA含めて時間もお金も投資して、
しっかりと取り組んでいます。
日本企業にとって海外は大きな市場です。
でも海外という市場は一つではありません。
だから英語と中国語と韓国語に翻訳する、
という発想になります。
その際に、いつまでに翻訳して、
いつまでに実装するというスケジュールで、
いっぱいいっぱいになってしまいます。
ラウンチのためには、
LQAをいつまでに完成させる必要があるから、
翻訳をいつまでに完成させる必要がある、
という発想で
ソフトウェアローカライズを進めている海外のソフトウェアと
ここで競争力の差がついてしまいます。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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