<第172号> En vert et contre tout
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第172号>
En vert et contre tout
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
Envers et contre tout
どんなことがあっても、という意味のフランス語です。
逆方向にを意味するenversも
反対を意味するcontreも
Envers et contre toutも
よく使われる表現
このenversをEn vertに変更したのが、
En vert et contre tout
この言葉を冠した活動がヨーロッパで広がっています。
Vertは緑
Enは英語ではinやtoを意味します。
サステイナブルな社会をなんとしても実現する、
そんな意味がこのEn vert et contre toutに込められています。
お金は経済の血液であり、
お金は消費活動によって流れています。
血液の循環をよくするためには、
消費活動を活発にする必要があります。
そういった中でのサステナビリティ活動はある意味、
経済的にはネガティブな側面を持ち、
企業にとっての宣伝活動に用いられることはあっても、
経済活動の基盤になるというところまでは至っていませんでした。
これまでも政府によるレジ袋の廃止など、
規制による環境保護はありました。
企業が自社の製品やビジネスモデルをエコな方向に軌道修正するということもありました。
サステナビリティのコンサルタントや、リサイクル事業など、
エコそのものをビジネスモデルという事業体もありました。
一方で、環境保護が経済活動を循環させるということになると別問題。
環境が経済活動の基盤になるという展望を持っていた企業はそれほど多くないと思います。
しかし、その方向に向けての変化は少しずつ、そして着実に起こっています。
さて、本号の内容です。
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<第172号> En vert et contre tout
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消費活動がお金の循環を作ります。
マーケットがないと、プロダクトは存続しません。
従来からの企業のサステナビリティ活動はどちらかと言えば、
プロダクト・アウトの発想で、
エコとか、ビオといった冠をつけて、自社の活動をPRするものでした。
一部の消費者が、多少高くても、エコを選ぶということを、
「期待する」活動であったと言えます。
様々な企業が、「期待」だけをしていても、
景気が停滞し、インフレが起こっている中で、
消費者が求めるもののマジョリティは、常に安くて良いもの。
エコは、その次の選択肢となります。
マーケットが存在するかどうかは「期待」。
期待を根拠に製品を開発するから、どうしても宣伝色が強くなります。
資本主義は必然的に格差を生み出し、一部の人のみに富が集まる仕組みなので、
いくら企業側が「期待」をしても、エコを選ぶ人のパイは減っていき、
「期待」をする企業の数が増えていき、その結果、
いつまでたっても、サステイナブルな社会は実現しません。
では、アダム・スミスの神の見えざる手は、
本当に資本主義社会を前提としたものなのでしょうか?
決してそんなことはありません。
世界では、プロダクト・アウトの発想ではなく、
消費活動そのものを作り出して、サステイナブルな社会を実現しようという活動が行われています。
例えば、ファーマーズ・マーケット。
生産者から直接購入することで、流通過程で発生する様々なCO2を削減できます。
何よりも生産者が、中間業者との間で交渉力を持つことができ、
その結果、大量消費を前提とした流通システムが改善されます。
例えば、地域通貨。
大型量販店では使えず、地元の商店街のみで使える地域通貨を活用することで、
地産地消を促します。
地産地消は商店街を活性化させるだけでなく、賞味期限を伸ばすための加工工程や、
遠くまで輸送したり大量に在庫するためのパッケージも削減します。
日本ではまだ浸透していませんが、ヨーロッパでは各地で地域通貨が活用されています。
こういった10年以上前から地道に行われてきた活動が、
少しずつスタンダードになってきています。
さらに新たな動きも出ています。
例えばエコブランドのファッション・ショー。
高級ブランドのファッション・ショーは有名なデザイナーと洗練されたデザインの発表の場。
世界中の注目を集めています。
エコブランドのファッションショーは、エコな素材とそれを活用したデザインの発表の場。
地域でとれるコットンと、地域とれる植物から抽出した染料を活用したアパレル。
地域のスーパーモデルが身につけると、高級ブランドのファッションショーにも負けていません。
グローバルのSPAブランドよりも高いですが、
高級ブランドよりは、数桁安い。
その衣類を身につけることの誇りは、ブランドのマークを見せびらかせることではなく、
地域のストーリー。
こうやって、世界では、消費の側からの変化が起こっています。
En vert et contre tout
この言葉が、今後どれくらい認知されることになるか分かりませんが、
消費の側を変化させる一つのムーブメントを一部の地域で引き起こしていることは
間違いありません。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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