<第171号> バーティカル5

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第171号>
バーティカル5
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

ノーベル賞を受賞した偉大な科学者ショックレーが
カリフォルニア州に半導体開発の若い天才たちを全米から集めます。

ショックレーによって設立されたわずか30人足らずからなるショックレー研究所。
メンバーは全員一流の博士です。

まもなく天才たちはショックレー博士の元をさります。
インテルを創業したロバート・ノイスやゴードン・ムーアをはじめ、
ショックレーを去った8人によって設立されたのがフェアチャイルド。

フェアチャイルドから新しい半導体技術が誕生し、
メンバーたちは自分たちがそれぞれ培ってきた技術で、
それぞれ新しい会社を立ち上げます。

そうやって生まれたのがシリコンバレー。
ショックレー博士が全米から天才たちをパロアルトに集めなければ、
シリコンバレーは誕生していません。

同様の動きが、テキサスでもあり、テキサスにはテキサス・インスツルメンツが生まれました。
でも、テキサスにはシリコンバレーはありません。
パロアルトでの、若い天才達とショックレーとの確執がなければ、
シリコンバレーは生まれなかったと言えます。

形あるものは滅びますが、水が流れ続けている限り、
新たな生命が生まれます。

ビジネスは人間によって、生まれます。
人間には感情があり、愛もあれば憎しみもあり、
尊敬もあれば対立もある。
だから、ビジネスは面白い。
そして、ビジネスも、自然の一部だということを改めて思います。

当面、半導体は私たちの生活にとって重要な位置を占め続けると思います。
金型が産業のコメと呼ばれた時代は去りましたが、
半導体が産業のオイルと呼ばれる時代はまだ続くでしょう。

少なくとも、シリコンバレーという名前は、その間、
高いブランドを維持し、優秀な人材を引きつけ、
新たな物語を生み続けると思います。

さて、本号の内容です。

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<第171号> バーティカル5

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オープン・イノベーションが当たり前になり、
わずか10年程で、誰もオープン・イノベーションという言葉を
使わなくなりました。

かつては社内で仕事を完結し、コスト下げて、情報は外に出さないことが必要でした。
今は社内でやるべき仕事をどんどん外に出した方がコストが安く、
かつ、その方が外から新たな情報が入ってきます。

うまく社外を活用できる企業は、社内含めてプロセスを革新して成長し、
社内で従来通りのやり方を続けている企業は、インプットもプロセスもアウトプットも変革しない。
社外の使い方で、企業の成長が大きく左右されるようになっています。

そもそもかつてはみんなが成長を目指していましたが、
成長自体を求めない企業も増えていますので、どちらが正しいとかそういったものはありません。
永続することを追求するために、成長を目指さないという企業も増えていて、
そういった企業は、それぞれのバーティカルで永続のための取り組みが徹底しています。
日本企業が元来強い分野とも言えます。

ただ、どちらにしても「社外の使い方」が従来以上に大切になっていることは間違いありません。

社内の作業はコア資源に特化し、それ以外のものを外に出す。
というスタンスをとっている企業は多いと思います。
この考え方は、かつての下請構造と発想が同じです。

コア資源は何か、という定義を明確にするとともに、
自社の事業が今後も成長する、または永続するという前提がなければ、
下請構造や外注構造は意味を持ちません。

これほど不確かな時代の中、
そこまでの体力と自信をもっている企業がもしあれば、
それはそれで素晴らしいことだと思います。

時代はドラスティックに動いていて、
自社だけが勝ち馬に乗ろうという発想では生き残れないようになっています。
成長にしても、永続にしても、競争ではなく共存共栄がビジネスの基盤になりつつあります。

仲間が集まり、そして去っていく。
アジャイルでビジネスの方向は行ったり来たり戻ったりを繰り返す。
ビジネスモデルも完結する前に分化していく。

ショックレー博士という偉大な人物が、
半導体というバーティカルで、
全米から天才を集め、
集まった30人足らずの天才から、
数百の企業が生まれたという現象は、
今のビジネスモデルの潮流そのものを表していると言えます。

バーティカルをしっかりともっている企業は、
ショックレー博士のような存在になるか、
天才の一人になるか、
フェアチャイルドのような存在になるか、
インテルのような存在になるか、

そんなことを考えることができる時代だと思います。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

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2022-11-27 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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