<第162号> セントラライズ4
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第162号>
セントラライズ4
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
オンプレミス時代、ソフトウェアではカスタマイズが一つの営業手法でした。
各社オペレーションは異なるから、貴社の運用に合わせますよ、と。
一度売り切って、その後保守をするビジネスだから、カスタマイズした方が、
保守のビジネスも大きくなります。
しかしクラウド時代はそうはいきません。
売り切りではなく月額サービス料で、
同じソフトウェアをたくさんの人が使うほど収益が出ます。
一つのソフトウェアを機能強化しながら、
できる限り多くのユーザーのニーズに答えていくので、
もしソフトウェア自体を個別に改変すると、
その時点で複数のソフトウェアの機能強化を同時並行で進めなければなりませんし、
複数の複雑なメンテナンスに同時並行で対応しなければならないことになります。
そのためクラウド時代は、カスタマイズとは
ユーザーインターフェースのカスタマイズであって、
ソフトウェアのコードそのものをカスタマイズすることは意味しなくなってきています。
一方でグローバル市場を前提としたソフトウェアでは、
日本語、中国語、タイ語、アラビア語など、
言語の違いがソフトウェアの機能に大きな影響を与えます。
例えば英語を前提として作成したソフトウェアは、そのままでは日本市場に導入できず、
ここでカスタマイズが発生してしまう可能性があります。
ならばグローバルで適用されているソフトウェアは、各国毎に別々に管理しているかというと、
少なくともBtoCではそういったケースは見られません。
これらのソフトウェアはインターナショナリゼーション(I18N)というプロセスで、
グローバルに対応できる仕様となっています。
最初から、グローバル市場を狙ってI18Nに対応しているソフトウェアと、
市場を拡大するたびに、継ぎ足し継ぎ足しで機能をメンテしているソフトウェアでは、
実際にグローバル市場に出た時の使い勝手は全く異なります。
クラウド社会では、セントラライズは一つの思想として不可欠なものとなっていると言えます。
さて、本号の内容です。
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<第162号> セントラライズ4
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かつて商社でお世話になっているときは、
日本採用の社員と、海外拠点採用の社員では
給与制度が異なりました。
もちろん、物価水準が異なるため給与水準が異なることは仕方がないですが、
水準だけでなく、制度そのものが各国毎に異なります。
今お世話になっている外資では、
給与制度はグローバルで同じです。
もちろん給与は日本円で受け取っているので、
為替の影響は受けますが、
中国も東南アジアも東欧も西欧も、北米も南米も
みんな同じ制度で動いています。
雇用契約書もベースは同じで、グローバルで
同じ契約書を各拠点の責任者と締結することになります。
この時点でアドミニの手間は大きく削減されています。
世界100拠点に社員が1万人いて、1万とおりの契約書があって、1万とおりの給与水準があるのと、
世界100拠点に社員が1万人いて、一種類の契約者と一種類の給与水準があるのとでは、
この時点で、その管理コストも透明性も全く雲泥の違いです。
労働基準法のようなものが各国毎にあるので、各国のアドミニは就業規則等を各国言語で揃えたり、
各国毎の施策を行う必要がありますが、ベースがグローバルで均一であれば
大部分を翻訳で対応でき、各国毎の内容のみにフォーカスすればよいです。
そういった運用ができている企業は、各国の法改正の都度、各国毎に作り直すのではなく、
各国の法改正をHQに報告して、情報はセントラライズします。
市場はグローバル化しているので各国毎の内容は、どこかの段階でグローバルで一致していきます。
このように、グローバルで人事給与を統一している企業は、
各国毎の内容もブラッシュアップされていきます。
こういった点に着目して、そのワークフローを支援しているのが、
SAPやWorkdayといったソフトウェアベンダーです。
今、大きな投資をして、多大な手間をかけて、
こういったERPを導入している日本企業がたくさんあります。
ビジネスの世界での共通言語は英語。
そのため、日本からはSAPやWorkdayのようなグローバルなERPは誕生しにくく、
そして日本のグローバル企業は、日本企業のERPではなく、グローバルERPを導入しないと、
セントラライズができないという状況になっています。
残念ながらこの状況は覆せないでしょう。
一方で、工場系のワークフローでは、人事総務とは違って、
日立、三菱電機、ファナック、オムロンなど、
日本企業が提供するシステムがグローバル製造拠点に
セントラライズされた基盤を提供するようになっています。
この分野でのグローバル競争力向上が、
日本企業全体の競争力向上に繋がっていくと思います。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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