<第149号> Time to Market その2
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
グローバル市場開拓 メルマガ
<第149号>
Time to Market その2
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
「やる」と決めてから、
どうやってやるかを決め、
その上で予算はどれくらいかかるか、
時間はどれくらいかかるか
を考える場合と、
予算が決められていて、
タイムラインも決められていて、
何かをしなければならないという大枠が決まっていて、
その中で、様々な事例を研究して、
限られた時間と予算の中で、
実行をする
といった場合があります。
前者はトップダウン型の組織で多いです。
後者は年功序列型の大企業で多いです。
どちらも良い点・悪い点があります。
前者の場合はリスクが大きく、
最後までやり切るためには屈強な精神力と
チームの統率力を維持する必要があります。
メリットは、成功するにしても失敗するにしても、
かならず将来の糧になること。
後者の場合は費やした予算と時間に相応しい結果を
導くことができる確率は低いでしょう。
メリットはメンバーになしかしらの仕事を与えることができ、
もし時代の流れと合致していれば、
メンバーと一緒にその流れにのった一歩を踏み出すことが
できること。
経済が全体として成長をしている時は、
前者よりも後者の方が多く、
経済が停滞または衰退をしている時は、
後者よりも前者よりも多い
というのがこれまでのパターンだったと思います。
しかし近年は、安定した成長を続けてきた大手企業が
前者のトプダウン型のパターンをとるようになっています。
それによって業態変換に成功する企業もあれば、
失敗して分割されたり買収されたりする企業もあります。
レールの上にのって出世街道を突き進んできた
エリート・サラリーマン社長が、
トップダウンでリスクをもって決断をし成功をしている事例もあります。
大企業が外部から百戦錬磨の経営者を招聘し、
一時的にドラスティックな変換を遂げて成功したかに見えても、
その経営者がいなくなってからいろいろと問題が露呈しているケースもあります。
それぞれ逆のケースもあり、このあたりも、一長一短なのかと感じます。
冷静に考えると、
大企業ほどリスク・テイキングには向いていると思います。
年功序列のピラミッド構造になっているので、
底辺の仕事ができる人材が豊富です。
大きなピラミッドをつくるためには、大きな底辺が必要で、
底辺がしっかりしていれば、
ピラミッドの頂点が多少ぐらついても壊れません。
ベンチャーの場合、ピラミッドの頂点の役割も、
底辺の役割も
どちらもトップが担いつつ、
様々な障害を乗り越え続けなければなりません。
日本にはユニコーンの数が少ないと言われていますが、
それで良いような気もします。
底辺がしっかりとしたピラミッド、
地面深くに根を下ろした大木、
いずれも動きは遅いですが、
内部から腐らない限り、外部からの攻撃には、
強いと思います。
さて、本号の内容です。
<><><><><><><><><><><><><><
<第149号> Time to Market その2
<><><><><><><><><><><><><><
Time to Marketのためのツールが多数存在していることを前号でご紹介しました。
一方で、TIme to Marketを実現するのはツールではなく、
そのツールを使いこなす社員一人ひとりであることもご紹介しました。
それでは、どうすれば社員一人ひとりがツールを使いこなすことができるでしょうか?
例えば、外資はどの会社も社員一人ひとりがツールを使いこなしています。
一方で、外資の日本法人の中でも、
いち早くツールを使いこなすイノベーターのような人と、
使い方を教えてもらいながらも、
最後の最後まで使おうとしないフォロワーの人がいます。
イノベーターはいち早くツールを使うので、
様々なトライ&エラーをします。
イノベーターの楽しみは、
トライ&エラーの結果、成功した内容を
チームのメンバーに共有すること。
そしてその成功事例を実践したチームメンバーが成功すると、
そのイノベーターはまた嬉しい。
イノベーターは、常に先に使いこなすので、
その使いこなした分の成果も先に上げています。
だから営業成績も他のメンバーよりも良いです。
他のメンバーの一部は、
そのイノベーターに負けないように、自分でも必死になって
トライ&エラーをしようとします。
そうやって、イノベーターも育成されていきます。
最後まで、「自分にはITリテラシーがない」と決め込んでいるメンバーは、
教えてもらうことが得意です。
ツールを使いこなす部分は、自分では失敗せずに、無理せず効率的に取り入れて、
空いた時間をそれ以外のところに使っています。
もちろん、いつも教わりっぱなしではよくないので、
他の部分で逆に教える立場になろうとします。
「外資はツールを使いこなす」といっても、
蓋を開けると、内部はこのような状況です。
人間として全員ITを使いこなすのが上手いというわけではなく、
組織として、
全員がツールを使いこなすための。
目に見えない仕組みが出来上がっています。
外資の日本拠点のイノベーターは、分からないことがあれば
欧米アジアのどこかのメンバーに質問をすることができます。
欧米アジアのどこかに、
その質問に答えられる人が必ずいて、
そうやってイノベーター同士、人間関係も築かれていきます。
それもまたイノベーターの楽しみ。
Time to Marketを実現する究極の答えはここにあると思います。
DX部門を作り、デジタル化はその部門に委ねる、
という考え方でいる限りは、いつまでたっても
デジタル化へのトランスフォーメーション段階から抜けられません。
組織全体の仕組みとして、メンバー全員がツールを使いこなすための、
自律的な仕組みを作る。
これがTime to Marketのための第一章と言えます。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
メールマガジン「グローバル市場開拓」
☆発行責任者:牧野好和
☆公式サイト:http://www.japan-product.biz/
☆登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001687506.html