<第126号>期待値コントロール

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
グローバル市場開拓 メルマガ
<第126号>
期待値コントロール
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

日本企業はグローバル市場を日本と海外という2つに分けて考える傾向があります。

一流企業も海外売上高比率という指標をIRで発表しているところをよく見ます。

これには
1)日本市場が十分大きいために、国内市場という考え方が成り立つ
2)市場と市場で使われる言語が同じで排他的
3)国土が海に囲まれていて他国から地理的に離れている
4)鎖国という歴史を持つ
5)国際通貨である円の存在

といった様々な背景があると思います。

イギリスは、2)と4)以外は共通しており、
中国は1)と2)と5)が同じ、
アメリカは1)と5)が同じ
スイスは5)が同じ
ですが、ほとんどの国が、この条件に一つも当てはまらないと思います。

世界の中でも日本は特殊な市場であると言えます。

そしてそのことは、日本企業が特殊であり、
日本企業の考え方やビジネスの進め方が特殊であるという結果を導いています。

企業そのものの考え方は大きく変わってきています。
アジア市場の拡大とともに、少なくとも日本をアジア市場と位置付け、
日本、中国、韓国、台湾、ASEAN、欧州、米国といった市場の分け方を
する企業が増えてきました。

でも企業の中で働く人の多くがやはり、日本対海外という考え方をまだ持っています。
デジタルネイティブで、インターネットというグローバルな市場で
育ったジェネレーションZ世代が主役になるまで、
この根付いた考え方は変わらないと思います。

でも、少なくとも、仕事の仕方について、
グローバルの人々がどのような考え方を持っているかを
知ることは有意義だと思います。

さて、本号の内容です。

<><><><><><><><><><><><><><

<第126号> 期待値コントロール

<><><><><><><><><><><><><><

「その仕事は私の責任ではない」
という言葉を聞くと、無責任と感じるのが、日本人特有の考え方だと思います。

日本では小学校から、全員が給食当番があり、掃除の時間があり、
全員で協力して取り組みます。
それによって、精神的にも様々な鍛錬を積んでいます。

しかしある国では、掃除と勉強は別です。
掃除は掃除を仕事とする人がいて、
掃除の時間をつくって、生徒が掃除をすることは、
その人の仕事を奪うことになりかねません。
そういった国では、生徒にとっては自ら掃除をすることよりも、
掃除を学び、自らの考え方を発することの方が大事です。

でも日本でそんなことをしていると、
掃除を怠けていると、批判の対象になってしまいます。

多くの人が認識していますが、日本では全員の力を結集して、
お互いに補い合いながら、一致団結して取り組んでいくことを美徳とする風習があり、
日本人として私もその考え方が大好きです。
誰も見ていないところで、正しい行動をすること、
特に、細かい気配りで人を助けるように、心がけている人が大多数と思います。

しかし、グローバルで仕事をしていく中で、
人の責任範疇の仕事に手を出すことはタブーです。
それぞれが自分の仕事を全うしている中で、
もし、誰の仕事でもない空白の仕事を生まれれば、
それの空白を埋めるのはマネージャーの仕事であり、
担当の仕事ではありません。

こういった仕事の仕方の違いはたくさんあるのですが、
日本人の考え方で変な「期待値」を持ってしまうと、
関係悪化の原因となります。
逆に日本人の考え方で、精神論で「YES」と答え、
相手に変な「期待値」を与えてしまうと
これもまた関係悪化の原因となります。

人それぞれ、考え方が異なり、時には衝突が起こりますが、
それが自動的に修正されていくのもまたダイバーシティの良さです。

時として、固有の考え方を持ってしまい
その考え方が変な「期待値」を生み、
その変な「期待値」を持った側が、マジョリティになってしまうと
ダイバーシティが成り立たなくなってしまいます。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願い申し上げます。

メールマガジン「グローバル市場開拓」
☆発行責任者:牧野好和
☆公式サイト:http://www.japan-product.biz/
☆登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001687506.html

2021-11-28 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

Related article