<第124号>購買頻度
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
グローバル市場開拓 メルマガ
<第124号>
購買頻度
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
キヤノンやニコンがカメラを作り、フジやコニカがフィルムを作る。
最強のタッグですが、ビジネスモデルとしては、
精密機械であるカメラは1回購入すれば使い続けるのに対して、
消耗品であるフィルムは、消費者は購入を繰り返します。
消費者との接点が多いフィルムビジネスの方が、
顧客に対して様々なソリューションを提供することができ、
結果としてビジネスモデルは広がりやすいです。
そのため、キヤノンやニコンがいくらよいカメラを作っても、
ビジネスモデルとしてはフジやコニカの方が美味しいと言われていました。
しかしカメラがデジカメに変わると、フィルムの寿命がなくなります。
フジやコニカよりもさらに大きなフィルムの市場を持っていた
アメリカのコダックやヨーロッパのアグファは倒産しました。
富士フィルムとコニカミノルタは、フィルム以外のビジネスを推進しており、
特に複写機・マルチファンクションプリンタで世界的なシェアを
保有していたので、銀塩フィルム市場がなくなっても
成長を続けました。
複写機・プリンタービジネスでも、精密機器である本体と消耗品であるトナーがあり、
富士ゼロックスもコニカミノルタも、複写機・プリンターだけでなく、
トナーを内製することで、ビジネスモデルを成長させます。
そして今、両社ともに、医療機器の分野でリーディングカンパニーになっています。
マーケットが変わっても、技術が変わっても、
自社の強みを生かす確固たるビジネスモデルの成功パターンを持っている会社は
強いと改めて感じます。
さて本号の内容です。
<><><><><><><><><><><><><><
<第124号> 購買頻度
<><><><><><><><><><><><><><
売上は客数X客単価と言われます。
小売でも卸売でも同様と言えますが、
卸売のようなBtoBビジネスでは客単価が
小売ののようなBtoCビジネスでは客数が、
まず優先される傾向があるかも知れません。
客数を増やすために小売店が行う戦略として、
たまごやトイレットペーパーの安売りです。
たまご1パック12個が100円で売っていたら
誰もが安いと思います。
そこで、チラシをみてたまごを買いにいくと、
結果的にたまご以外のものも購入することになり、
100円だけでなく1000円近く費やした、という経験は、
誰もがしていると思います。
このように、ある商品を安売りしてまず客数を増やし、
ついで買いを誘引して客単価を増やす、というセオリーが成り立つのは、
たまごやトイレットペーパーのような
誰もが購入するような購買頻度の高い商品に限ります。
例えば結婚式のお祝儀袋を安売りしても、
そのチラシを見て買いに来る人は僅かでしょうし、
そもそも安いからという理由で買う人はほとんどいないと思います。
そのため、購買頻度の高い商品に集中して安売りの対象となります。
しかし長い間一般的だったこのセオリーが変わりつつあります。
ポイントカードという便利な仕組みができ、
消費者の買い物データが取得できるようになりました。
そのため、店舗側は、たまごやトイレットペーパーのような、
誰もが購入する製品を安売りしなくても、
「特定の人だけに、特定の商品を安売りする」
ということができるようになりました。
例えば、毎日弁当を作っていて、その弁当に必ず梅干しを3つ入れている人がいるとします。
梅干しは購買頻度の高い商品ではないですが、
その特定の人にとっては購買頻度が非常に高い商品です。
だから、期間限定で梅干し15%割引といったメールが届いたりすると、
買いに行こう、という気持ちになります。
さて、時代はeコマース時代。
eコマースも、店舗に来店してもらうのと考え方は同じです。
さらにSEO対策もあるので、何も買わないとしても、
サイトを見てくれるだけでもありがたいです。
そして、eコマースの場合、ポイントカードがなくても、
コンバージョンでデータを取得することができます。
特定の人が、どんな商品を購入しているか、ビジネスインテリジェンスが
eコマースエンジンと連携して自動で分析して、
マーケティング・オートメーションが、自動でキャンペーンを送付してくれます。
そして、グローバル・コマースでも同様のことが行われています。
特定の人に、その人の購買頻度の高い商品のキャンペーンが、
その人の母国語でメールで届く。
そのメールをクリックするだけで、割引価格でその場で購入でき、
家にいると宅急便で海外から製品が届く。
私たちは、今、そんな時代に生きています。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願い申し上げます。
メールマガジン「グローバル市場開拓」
☆発行責任者:牧野好和
☆公式サイト:http://www.japan-product.biz/
☆登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001687506.html