<第115号> NDA
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第115号>
NDA
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
インターネットの誕生でコミュニケーションの手段は大きく変わり、
仕事の仕方も大きく変わりました。
オープンイノベーションという言葉は以前ほど聞かなくなり、
オープンであることが当たり前になっています。
オープンにしていい情報が限定され、
オープンにしてはいけない情報が基本というスタンスでは、
情報を守ることができなくなっています。
スピーディに対応するためにも、
あらゆるリソースを最大限に活用するためにも、
最新の情報は不可欠です。
電子メールの「転送」ボタンを押せば情報は一瞬で共有されます。
「転送」ボタンを押すことすら不便なので、
最近ではMSチームスやスラック等のツール内で、
グループを作り、グループ内ですべての情報が最初から共有されます。
オープンにしてはいけない情報を特定にしておかなければ、
情報の流出を守ることができなくなっています。
オープンにしてはいけない情報を特定していたとしても、
情報が流出する可能性は高まっています。
むしろ、情報を守るという考え方そのものを変えなければならない時期に来ていることを感じます。
さて、本号の内容です。
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<第115号> NDA
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NDAの締結は、グローバル市場開拓の第一歩と言えます。
「本来は開示できない」情報を開示することを意味します。
秘密を守ることを目的とした契約ですが、
情報を開示する前提としての挨拶代わりの目的が強いです。
買い手側からNDAの締結を求められた場合、
売り手側としては一つの壁をクリアしたという意味合いを持ちますし、
売り手側からNDAの締結を提案して、買い手側が断ってきた場合、
まだ買い手側の関心がそれほど高くないという意味合いを持ちます。
買い手側からNDAの締結を求められ、
その締結を躊躇したり、締結までに数ヶ月を要したりといったことは、
せっかくのビジネスの機会を失わせてしまうことになりかねません。
そのため、できる限り早く、スムーズにNDAを締結する必要があります。
しかし、契約を盲目的に締結することは避けなければなりません。
NDAを迅速に締結するためには、
いくつかのチェックポイントがあります。
そしてそのチェックポイントも、
デジタル時代は少しづつ変化しています。
1)守秘する情報の対象が特定されているか?
情報が溢れている今、何が守秘情報でそうでないかを
特定することの重要性は高まっています。
かつてはConfidentialと明記して文書で提出という運用が多かったですが、
今はそういう手間をかけている時間はありません。
ビジネスチャットでも守秘情報かどうかを判断できるように
することが必要です。
2)守秘義務以外の義務が課されていないか?
ソフトウェアがビジネスに関与する機会が多くなっており、
守秘義務以外にランセンス含め権利に関連する内容が増えています。
NDAはあくまで守秘が目的です。
守秘や目的外利用の禁止以外の内容が含まれている場合は、
その内容は慎重に扱う必要があります。
3)守秘期間はどのように定められているか?
技術革新のスピードが早い時代です。
かつては守秘期間は契約終了後10年と記載されている場合が
多かったですが、今はそういったことはほぼ見られません。
一方で、自動更新が増えています。
様々な情報交換が行われることを前提として、
NDAの目的を広範囲に定義して様々なテーマに対応できるようして、
期間を自動更新にしているケースは過去もありました。
かつては、そういった契約の場合、守秘管理が難しくなるのでNGでしたが、
今は、むしろ合意して運用で管理を徹底する方向になってきています。
契約を厳格にチェックすることよりも、
契約をスピーディに合意し、
契約の内容をしっかりと把握して、運用面でリスクを管理する方向になっています。
運用面でリスクを管理するためには、
契約は法務マターと考える時代ではなくなっていることも意味します。
現場が契約内容を熟知する必要性も高まっています。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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