<第111号>プロジェクトマネジメント
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第111号>
プロジェクトマネジメント
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
あらゆる仕事でプロジェクトの規模が大きくなっています。
最初に要件を固めるプロジェクトでも、
アジャイルで取り組むプロジェクトでも
規模が大きくなりかつスピード感がより求められるようになっていることは
同じと言えます。
規模が大きくなると
最初に要件を固めるプロジェクトでは、
早い段階で市場の状況を取り入れられるようにしないと、
製品が完成した時には、たとえすばらしい製品でも
時代の流れにあっていないということが起こり得ます。
規模が大きくなると、
市場の評価を反映しながら取り組むプロジェクトでは、
常に要件を意識しながら取り組まないと、
製品が完成した時には、たとえ時代の流れにあっていたとしても
製品のコンセプトそのものが、変わってしまい独自性や差別化要素が
なくなってしまっている、ということが起こり得ます。
こういったことが起こらないように、
プロジェクトマネージャーが重要な役割を担っています。
しかし、規模が大きくなり、役割が細分化され、
かつスピード感が求められるようになると、
プロジェクトマネージャーの仕事はスケジュール管理が
中心になってしまうことがあります。
プロジェクトマネージャーの仕事はスケジュール管理でなく、
プロジェクトの成果物が生まれるまでに、
内部の利害関係者、顧客、さらには市場を見渡しながら、
指揮者のように関係者の業務を最適化していくことにあるため、
プロジェクトマネージャーがその本来の仕事ができず、
スケジュール管理しかできなくなった時
そのプロジェクトの危険信号であると言えます。
そこで、多くの場合、プロジェクトマネージャーの人数を増やしたり、
PMOを投入するということが行われますが、
ほとんどの場合、解決にはなりません。
むしろ船頭が増えるとプロジェクトは混乱する方向に向かいます。
プロジェクトの規模が大きくなると、
プロジェクトマネージャーの力量よりも、
むしろ組織構造が重要になってきます。
日本型組織は階層型で長い間力を発揮してきました。
この日本型プロジェクトマネジメントは、
長い間世界中のお手本となっていました。
しかし今、時代は変わりました。
プロジェクトメンバーは、グローバルでフラットになっています。
グローバルでフラットな組織をどうやってマネジメントしていくか?
その答えを多くの企業が探していると思います。
さて、本号の内容です。
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<第111号> プロジェクトマネジメント
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グローバルのプロジェクトでも、国内のプロジェクトでも、
プロジェクトメンバーは各分野のプロフェッショナルであるということは
変わりません。
国内のプロジェクトメンバー同士は
お互いの専門性や性格含めてよく知っているのに対して、
グローバルのプロジェクトとなると、
同じチームなのにお互いのことはよく知らないということがあります。
一緒に食事をしてお互いを理解しあうという機会もなかなかありません。
さらにそこに文化の違いがあります、
チームの一体感や信頼感を醸成するのは、
日本国内だけのプロジェクトよりも
グローバルプロジェクトの方が難しいと言えます。
それにも関わらず、いくつものグローバルプロジェクトを
効果的に回している企業があります。
そういった企業は、どうやってグローバルプロジェクトを
回しているのでしょうか?
素晴らしいプロジェクトマネージャーがいるかも知れませんが、
それだけが、いくつものプロジェクトを
効果的に回すことができている理由ではありません。
最大の理由は、プロジェクトを回すための「仕組み」が確立され、
その「仕組み」をプロジェクトメンバー全員が認識していることです。
日本企業の場合、多くの場合、まず教えてもらうことから仕事がスタートします。
プロジェクトには、先輩がいて、先輩は後輩を育成する役割を担っていて、
後輩は先輩に聞くことができ、先輩は答える責任があります。
後輩は、先輩の指示を受け、自分の責任範囲かどうかに関わらず、
プロジェクトの成功のために必要なことに真剣に取り組みます。
しかしこういった仕組みがある企業は世界では珍しいです。
日本以外の企業の場合、各メンバーは
まずは自分の責任範囲を明確にし、
その責任範囲で自分が分からないことがあれば自分で調べ、
自分では調べられないような内容は、誰にどうやって聞けば
その答えを見つけられるかを考えます。
そして、「自分の責任範囲以外のことはしない」
ということが徹底されていることが多いです。
こういった組織では、メンバーのプロフェッショナル意識は高いです。
そして、「誰の役割にも帰属しない」仕事がもし発生した場合、
プロジェクトが止まってしまう可能性があります。
そのため、そういったことが起こらないように、
プロジェクトを回すための「仕組み」が確立されており、
プロジェクトのキックオフの際に、お互いの役割分担を確認し、
疑問があればディスカッションをするということが行われます。
日本企業がグローバルプロジェクトを回す際に、
キックオフは行うにしても、どうしても日本の感覚で、
想定外のことが起こった場合に、適切な「指示をする」のが、
プロジェクトマネージャーの仕事だと思うってしまうことがあります。
しかしそれは本来のプロジェクトマネージャーの仕事ではありません。
プロジェクトの前の段階で、企業として「想定外のことが起こらない」ような
「仕組み」を確立することができているかどうか?
それがグローバルプロジェクトを成功させる秘訣であり、
優秀なプロジェクトマネージャーが活躍できる秘訣であると言えます。
本号の内容は以上です。
来週も何卒よろしくお願い申し上げます。
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