<第107号> ESGその7

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第107号>
ESGその7
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

コロナで在宅勤務、テレワークが定着しました。

もう一つ定着したことを感じるのは転職です。
この1年間で転職された方は、
その前の1年間に転職された方よりも多いのではないかと思います。

働き方が変わると自分が所属する企業への考え方も変わると思います。
働き方が変わっても、その企業で働き続けたいという「何か」
を持っている方はその企業で働きづけるでしょう。

その「何か」が、自分の所属する企業で見つけられない場合、
悶々とした状況で自宅で過ごすよりも、
インターネットを検索して、その「何か」が
ありそうな企業に惹かれることになると思います。

勤続年数が長いほど給料が上がっていく仕組みも、
これから何年続くか分かりません。
多くの企業がまだそういった仕組みを維持していますが、
たとえ維持し続けても、社会全体の変化は、
社員の終身雇用への期待を失わせる方向にいっているので、
これまでのような終身雇用のメリットは無くなっています。

副業を許容する企業も、副業人材を求める企業も増えています。

その時に優秀な人材が企業に求めるのは何か?

収入を得る手段が多様化している今、
優秀な若手は、給料の金額よりも、
社会的価値の高い企業に所属したいと思うようになっています。

グローバルに活躍する企業は共通して、
優れた企業理念をもっています。
優秀な人材を惹きつけるためにも、
活躍している人材が長く働き続けたいと思う上でも、
企業理念の価値はますます高まっていると言えます。

人材は流動的です。
デジタル化が進む中、事業の内容も流動的です。
今収益を上げているビジネスも来年続くかどうかわからないほど、
変化のスピードが早いです。
事業のドメインも変化していかざるを得ません。

事業の永続のためには、
変わらないものよりも変わるものの方が多くならざるを得ません。

人材も事業も資金も活動する場所も流動的な今、
企業にとって変わってはいけないものは、
将来企業理念だけになるのではないかと思います。

さて、本号の内容です。

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<第107号> ESGその7

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IBMを世界一の企業にしたトーマス・ワトソン・シニアは、
IBMの前身であるC-T-Rの責任者に就いた時、
「私がすべきことは何か?」と従業員に問いかけ、
世界における自社の役割について、
トップから従業員に発信するのではなく、
従業員からトップに流れる仕組みを築いたと言われています。

この内容の持つ意味はとても大きいと思います。

1)人に言われて、いやいや取り組む仕事
2)人に言われて、納得して取り組む仕事
3)自ら必要と感じ、自分の意思で取り組む仕事

この3つ中でどれが最も生産性が高く、
どれが最も生産性が低いか、明らかと言えます。

多くの企業は、1)を2)にすることに力を入れていますが、
トーマス・ワトソン・シニアは、
1)も2)も、どちらも3)にする、
しかも、自分のためにではなく、
社会のためにするという方向で実現することを
仕組み化したと言えるのではないかと思います。

トーマス・ワトソン・シニアが
そのことに取り組んだのは1914年。
世界中で革命や戦争が起こった年です。

激動の時代に、従業員に「社会のために自らの役割を発信する」
といった強いメッセージを送ったトーマス・ワトソン・シニアの
人間としての大きさ、そして経営者としての才覚は
比類なきものだと思います。

COVID19に世界が震撼し、
米中の覇権争いが顕在化した2020年代も、
激動の時代です。

この時代に、「社会のために」という
強いメッセージを発信し、
自ら考え自ら行動できる「従業員」を持つ企業が、
これから先の100年間、存在感を増していくに違いありません。

グローバルビジネスのためのツールは多数誕生しています。
グローバルビジネスもどんどんデジタルになっています。
1年先のテクニックが、ロートルと言われる時代です。

そういう時代だからこそ、
ノウハウやテクニック以外の部分で差がつくとも言えます。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

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2021-06-27 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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