<第98号> エコ・ビジネス

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第98号>
エコ・ビジネス
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

4月22日(木)、日本政府は
2030年度に2013年度比で温室効果ガスを46%削減することを
表明しました。

諸外国と比べて表明が遅れた中で最後はリーダーシップで決定し、
数値として欧米や中国よりも見劣りしているという見方もあるかもしれませんが、
現実的には充分野心的な目標で、
緻密な検討が繰り広げられてきた結果であると見ることが正しいと思います。

今後、企業に対してこの目標達成のための具体的な要請が、
政府から発せられることになると思います。

46%という数字は、従来の取り組みの延長線上では実現できません。

例えばフランスではこれまでに
エコサイド法案や売れ残り品廃棄禁止法など様々な法律が制定されています。
民間から提示された環境保護についての50もの法案が制定され、
航空会社に対して2時間以内の飛行距離の便を廃止することを求めるなど、
ドラスティックが動きもあります。

エコを中心とした産業構造に転換していくことは不可欠ですが、
そのための道筋を知っている人はいません。
一方で、トライアンド・エラーで進めていくことも出来ません。

したがって、
再生可能エネルギーへの転換と、
デマンドレスポンス、エネルギーマネジメントシステムの導入、
リサイクル
といったすでに効果が明らかだが採算面から導入をためらっている技術に対して、
大きな投資の波が起こってくると思います。

すでに日本でも多くのリニューアル・エネジーのベンチャーが誕生しております。
これらの企業への期待はますます高まるでしょう。

さて、本号の内容です。

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<第98号>
エコ・ビジネス

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エコロジーやグリーン・テクノロジーは、
日本が世界に誇る技術です。

太陽光発電といった技術に論点が集まりがちですが、
高度成長期に日本中で発生した公害の対策として、
様々な空気の浄化や廃水の浄化技術など、
テクノロジーで課題を解決してきた歴史があります。

必ずしも大企業だけでなく、製鉄、石油化学コンビナートなどがある地域には
日々、環境を守っている企業がたくさん存在しています。

そして、水素発電を利用した燃料電池、
温泉など日本独特の地形を生かした地熱発電、
大型ダムを建設しなくとも農業用水で発電できる小水力発電など、
すでに技術として確立されているにもかかわらず、
採算面やサポート面から導入が広がっていない技術もたくさん存在しています。

エネルギーマネジメントシステムには、
工場で導入されるFEMS、
ビルで導入されるBEMS、
家庭で訪問されるHEMS
などがありますが、HEMについては採算面から導入が遅れています。

そういった中で、静岡ガスなど、ガス会社が
積極的にエネルギーマネジメントシステムの導入を推進する動きがあります。
地域の住宅会社と連携して、分譲住宅地で一括してHEMを導入することにより、
導入コストを下げることを実現しています。

このように、日本独自のエコ・テクノロジーの強みは、
ソフト面ではなく、
それを地域で実践できるコミュニティーにあると言えます。

必ずしもスマート・シティのような大規模な仕組みでなくとも
コミュニティーで確立された、様々なエコの仕組みを、
ビジネスモデルとして世界中に展開していく企業が増えていくでしょう。

そのビジネスモデルは、
設備を提供する企業にとっても、
システムを提供する企業にとっても、
ビジネスモデルを提供する企業にとっても、
グローバルで新たな市場を切り開くチャンスと言えます。

温室効果ガス46%削減が、
日本のエコ・ビジネスモデルのグローバル競争力を高める
一つのきっかけとなることを願います。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

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2021-04-25 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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