<第69号> サプライチェーン5
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第69号>
サプライチェーン5
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
英語はすごくロジカルな言葉だと思います。
一つ一つの単語の持つ意味が明快で、
その単語をパズルのように組み合わせると、
綺麗な文章ができます。
世界中で使われるにふさわしい、「わかりやすさ」のために、
世界各国で勝手な使われ方がされています。
ジャパニーズ・イングリッシュは、
もしかしたらその代表格かも知れません。
一方、日本語はロジカルという考え方が似合わない言語だと思います。
ひらがなとカタカナと漢字の組み合わせで、
同じ意味の言葉でもたくさんの表現の方法があり、
同じ表現でもたくさんの意味合いを表します。
ひらがなだけの文章だとほとんど理解できず、
逆に漢字ばかりの文章だと疲れてしまいます。
かつ、5・7・5のように、リズムのよいセンテンスもあります。
見えているものと、見えていないものの、両方が
日本語の美しさを演出してくれます。
また、言葉の持つ意味だけでなく、
文字そのものは、書として、芸術としての価値を持ちます。
フランス語には、すごく複雑な活用があり、
それを覚えるだけでも大変。
しかもその活用のルールには必ず例外があります。
そして、それらの例外の一つ一つに、
なにかしらのポリシーを感じます。
背負っている歴史、文化を、言葉から感じることができます。
フランス語を学ぶと、
言語やフランスを学ぶという価値以上の、
もっと本質的なことを学んでいる気持ちになります。
プログラム言語には、明確な規則があります。
規則を守らないとバグになります。
大きな間違いがあった場合、プログラム自体が動きません。
でも、やっかいなのは、小さな問題があった場合。
バグに気が付かずに、市場に出してから、
不具合が見つかった場合、その原因を発見するだけでも、
大変です。
フログラム言語は実用的ですが、
フログラムを動かす以外の価値も応用範囲もありません。
デジタル・ソサイエティに向かっていけば行くほど、
あらゆるものが規則正しい方向に向かっていき、
目的以外のものに価値を見出さない社会になっていくように感じます。
最近は、スーパーマーケットのレジで
もたもたしているだけで、いらいらされてしまうほど、
イレギュラーに不寛容。
社会がよい方向に向かっていくためには、
曖昧なもの、不規則なもの、例外、
などを大事にする気持ちを忘れないようにする必要があると思います。
さて、今号の内容です。
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<第69号> サプライチェーン5
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一つの製品には様々なデータが関わります。
例えば品質管理。
製造業の場合、品質を4Mで管理しているケースが多いです。
4MとはMan, Machine, Material, Method.
この4つのMのうち、いずれか一つでも変更すると、
品質に影響を与えます。
社内の4Mだけでなく、サプライヤーの4Mが変更されても、
品質に影響を与えます。
これらすべてをデータとして管理して、
何か問題があったときのトレーサビリティを確保しておく必要があります。
また製品そのものだけでなく、
パッケージやマニュアル類にもデータが関わります。
製品のバージョンアップやマイナーチェンジなどがある度に、
パッケージやマニュアル類も変更する必要があります。
さらに、製品のマーケティングデータも重要です。
この製品はどういった媒体に掲載しているか?
ということを確実に把握していないと、
製品のバージョンが変わっても、
マーケティング媒体の情報がアップデートされず、
古い情報が表示され続けるということが起こります。
すべての生産工程とマーケティングを国内だけでコントロールしている場合は、
ある程度把握できるかも知れません。
しかし今、多くの製品は海外で製造されています。
そして、多くの製品は海外向けに販売されています。
さらに、それらのデータ一つ一つにコストが関わります。
同じ製品をメキシコの工場とタイの工場で製造する場合、
規格は同じでも4Mはすべて異なるでしょうし、
人件費も異なるでしょうし、税金も異なるでしょうし、
仕向地もすべて異なると思います。
これらをすべて管理するためには、膨大なデータを
緻密に整理してまとめなければなりません。
そして、おそらくそのデータは毎秒更新され続けるでしょう。
もし工場を中国からベトナムに移す必要が生じた場合、
生産体制構築、物流手配、人員確保だけに注力するのではなく、
中国で製造されていたときのデータとデータ管理ノウハウ
もベトナムにしっかりと引き継ぐ必要があります。
分業が進み、サプライチェーンが複雑になり、グローバル化が進む程、
そのデータ管理のノウハウが競争力を左右することになります。
近年では、経営資源は、ヒト、モノ、カネではなく、
ヒト、モノ、カネ、データであるとも言われるようになっています。
こういったグローバルでの製品データ管理のために、
商品情報管理(PIM)システムや商品マスターデータ管理(MDM)システム
が使われるようになっています。
そして、さらに近年は、こういったデータを管理する対象としてだけでなく、
資源として活用するという考え方が重要になっています。
急増する製品データを分析することでこれまで掴めなかった内部の課題を把握したり、
さらに、市場から収集したデータも取り入れて、
データドリブンなビジネスモデルを構築したり、
といったことが行われています。
サプライチェーンの情報を、管理目的だけでなく、
武器として活用する、という発想を持った企業は、
強いと思います。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願い申し上げます。
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