<第67号> サプライチェーン3
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第67号>
サプライチェーン3
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
高い品質の製品を低い価格で提供することで、競争力が高まります。
収益を高めるためには、高く売るか、たくさん売るか、コストを下げるか?
製造するボリュームが大きくなると、
1製品あたりの製造単価が下がります。
製造のために必要な調達部品や素材が下がると、
1製品あたりの製造単価が下がります。
製造のために必要な人件費が下がると、
1製品あたりの製造単価が下がります。
製造するボリュームが大きくなると、
調達先に対して価格交渉力がつき、
調査先の価格協力を得て、コストが下がり、収益が大きくなると、
プロモーションなどへの投資ができ、
製品への認知度を向上させることができます。
つまり、単品を大量につくることが、競争力をたかめ、
収益を高めるための最強のソリューションと言えます。
単品を大量につくるためには、購買頻度の高い製品が狙い目です。
例えば、住宅は、人生で何軒も建てる方は稀でしょう。
購買頻度は高いとは言えません。
一方、車は、10年に1回くらいの頻度で買い換えます。
法人需要の場合は、5年に1回くらいの頻度かもしれません。
PCは5年に1回くらいの頻度で買い替えます。
法人需要の場合は、3年に1回くらいの頻度かもしれません。
そして、3年に一度買い換えたり、
あるいは一人で二台持つ利用者が多いスマートフォンは、
工業製品として、購買頻度が高いと言えます。
スマートフォンは、アップル/サムソン/ファーウェイ/LGなど、
ごく少数のメーカーが、巨大な市場を分け合っています。
巨大な交渉力を持つ、巨大なメーカーの存在が、
消費者としての私たちの生活を豊かにしてきました。
一方で、この巨大なメーカーのもつ競争力が、
労働者としての私たちの生活を厳しくしてきたという考え方も
できるかも知れません。
スマートフォンに限らずあらゆる業界で、
技術が進めば進むほど、寡占化が進んでいます。
このことは、労働者としての私たちの生活をますます厳しくすることになると思います。
だから、自分は勝者の側につこうと頑張る。
そうやって、社会の分断が進んでいくのだと思います。
綺麗事では生きていません。
そのため、そういった社会の分断を防ぎながら、
生活を豊かにしていこうということで、
米国が中心となって、多様性を尊重してきました。
さて、今号の内容です。
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<第67号> サプライチェーン3
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グローバル・サプライチェーンは動的です。
これは、自動車やスマートフォンのような工業製品に限りません。
例えば、アパレル製品は、
繊維と着色用の染料などの製造工程や、
ミシンなどで仕上げる手作業は、欧米から、日本、中国、東南アジア、南アジア
など、この50年ほどで、大きく移転してきました。
コーヒーやチョコレートなど、加工食品は、
カカオの産地やコーヒーの産地は変わっていませんが、
これらの製品を安定的に調達するための金融の力と、
大量に買い付けて、大量に加工する力を持つ
一部のメーカーが、サプライチェーンを動かしています。
需要のある場所は、ドラスティックには変わりませんが、
世界の人口が増え、中間所得層の所得が増えているので、
需要は増えています。
動的なサプライチェーンを止めることがないように、
物流が大きな役割を果たしています。
例えば、自動車の製造単価を高めるためには、
人件費の安い場所で製造した方がよいです。
しかし、人件費の安いアフリカで自動車で製造し、
世界中に輸出しようという動きにはなりません。
自動車を製造するための部品を調達するにも、
完成した自動車を世界中に輸出するためにも、
莫大な輸送費がかかります。
そのため、自動車のように部品点数がおおく、
かつサイズが大きいため輸送費が高い製品については、
需要地に近く、比較的コストの安い地域で、
生産をすることになります。
結果として、
ヨーロッパ向けはチェコ、ハンガリー、ポーランドなど、
米国向けはメキシコ
中国向けは中国
東南アジア向けはタイ
といった形で、生産地が集中することになります。
巨大な力を持つアセンブリメーカーが、
最終組み立て工程を新たにどこかの組みで立ち上げれば、
そこに運ぶための物流と、
そこから運ぶための物流が発生します。
この物流も、チェーン構造となっています。
スマートフォンのディスプレイメーカーも寡占化していますが、
ディスプレイメーカーは、スマートフォン用の
ディスプレイだけでなく、テレビやPC用のディスプレイも製造しています。
このことは半導体にしても、コンデンサにしても同様です。
工作機械やロボットも同様です。
そのため、巨大な力を持つアセンブリメーカーの
思い通りにサプライチェーンが構築できるわけでもありません。
最適と思って新たに動かした製造拠点が、
実は最適ではなかったということが起こり得ます。
巨大な力をもつアセンブリメーカーでさえ、
動的なサプライチェーンを動かすことが難しいのだから、
それ以外のすべてのメーカーにとっては、
もっと難しいです。
動的なサプライチェーンを、常に最適に動かしていく上で、
ロジスティクス戦略は不可欠です。
そして、そのロジスティクス戦略を構築するためには、
データ化が重要です。
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