<第51号> 日本モデル
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第51号>
日本モデル
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
アフターコロナで社会が変わる、とくに働き方が変わるということを、
多くの人が思っていると思います。
私も思っています。
リモートワークを中心とした考え方は、
コロナの前から言われていたので、
コロナがきっかけになったということだと思います。
それよりも、もっと根本的な議論が起こっていることの意味が
大きいと思います。
国債を発行して、若者にツケを回すだけで、
解決方法を示すことができていないのではないか?
資本主義は生存の基盤となる循環的な生産活動に従事する人の賃金を下げ、
付加的な価値に従事する人の賃金を上げて格差社会を作り上げた結果、
貧困や環境破壊といった社会問題を導いているのではないか?
といったことを、これまで若者が中心となって発信してきましたが、
コロナ危機に直面して、大人たちも同じことを言うようになっています。
大人たちは危機に直面した時、どのような対応をとったのか?
それは、自らの弱さを認識するきっかけになりました。
真価が問われるのは、これからだと思います。
戦争と破壊を経験してきた私たち人類は、
同じ過ちを繰り返すことなく、希望に満ちた未来を、
次の世代に引き継いでいかなければなりません。
何のために働くのか?
これまで成功者とみなされてきた高所得者の方も、
人々の生活を支える重要な仕事をしながらも所得に恵まれなかった方も、
すでに働いている方も、これから働く方も、
同じ問いを持つ同じメンバーとして、
新しい社会を作っていかなければならないと思います。
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<第51号>
日本モデル
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デジタル社会には、いくつかのキーワードがありますが、
その中でも、オープンイノベーションとプラットフォームは、
比較的頻度の高いキーワードだと思います。
デジタル技術はゼロからイチを創出するものが多く、
イチとして生まれた後も革新のスピードが速く、
かつ専門領域が細分化されているので、
一社のリソースだけで取り組むことは限界があります。
またそういった創造的な活動では画期的なアイデアが求められるところ、
異業種メンバーと交流することで新しい発想を取り入れることが、
イノベーションにつながると言われています。
そして、そういったオープンイノベーションの場であるのが、
プラットフォームであり、
オープンイノベーションの結果、新しく生まれるのが、
プラットフォームであったりします。
プラットフォーム上ではニーズとシーズが存在するので、
そこでマッチングが生まれます。
そのマッチングそのものが、全く新しい価値を創出します。
それは、既存業種に破壊的な影響を与えるものもあれば、
これまで気がつかなかった人間の本質的側面を明らかにするものもあります。
例えば、Airbnbで民泊を利用した利用客は、
ホテルに泊まる時よりもはるかに綺麗に部屋を利用するなど、
世の中の流れが、集中管理から分散管理に変わることで、
より人間らしさを取り戻すことができるのではないか?
といった根源的な課題を、プラットフォームは突きつけてくれます。
さて、オープンイノベーションでも、プラットフォームでも、
日本は遅れていると言われています。
どちらも感覚として、日本企業は苦手な分野だと思います。
欧米企業や新興国の企業は、インターネットのようなインフラと
クラウドのような技術が生まれたら、まずは
クラウドを使ってデジタル市場にいかにコンテンツを載せるか、
あるいは載せる場を提供するか?また載せ方を導くか?
というところから思考をスタートさせますが、
日本企業は、自社の事業の維持と発展というところから思考をスタートさせます。
これは、雇用に関わる法制度の違いや習慣の違いも大きいと思います。
そのため、日本モデルはイノベーションも時間がかかります。
プラットフォームのような新規のフィールドを作ることに、時間を費やそうと
いう発想を持っている大手グローバル企業の場合は、少なく、
新規事業開発部のような経営で切り離された事業部が取り組んでいる
ことが多いと思います。
意欲のあるベンチャーが、日本でプラットフォームの創出に取り組んでいますが、
参画するプレイヤーである大手企業の温度感が諸外国と大きく異なるため、
日本で生まれたプラットフォームは欧米のようにスケールしません。
ところが、最近、この日本型モデルが功を奏している事例が増えています。
特に製造業では、IoTプラットフォームのような革新的な
欧米型のプラットフォームが全世界で急速に普及しました。
確かにアイデアもテクノロジーも素晴らしいプラットフォームなのですが、
それを使いこなして、素晴らしい成果を上げている企業は、
ほとんど聞いたことがありません。
製造業ならば、モノづくりは一つひとつのプロセスが精密で、慎重で、相互依存で、
アイデアだけでは実行が伴わないことをよく分かっている一方で、
過酷なコストと納期の競争に勝ち抜くためには、こういった革新的な
技術に乗り遅れると生き残れないという危機感も持っています。
そういった中、日本型モデルの場合は、プラットフォームを提供する側になろうとするのではなく、
利用する側の立場で新しいモデルを時間をかけて作っていくので、
スピードは遅くても、完成度の高い仕組みを構築することに成功しています。
三菱電機やオムロンなどが主導するエッジクロスコンソーシアムは、
まさにその代表例と言えます。
様々な分野で、こういった日本モデルが成長した時、
日本のデジタルトランスフォーメーションが、
世界中から、賞賛されることになると思います。
私は、その時代が、必ず来ると思っています。
以上、本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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