<第48号>デジタルマーケティング その4

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
グローバル市場開拓 メルマガ
<第48号>
デジタルマーケティング その4
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

ハンナ・アーレントは人間の生活の活動的な部分を
ヴィータ・アクティヴァと定義し、
Labour / work / action /  
の3つの要素に分類しました。

Labourがハンナ・アーレントの言うように
「循環的な行為」である限りは、
いずれ機械に置き換わっていくことは避けられないと思います。

一方、芸術家や職人技などのWorkを機械に置き換えようとすることは、
産業革命後の価値観の中では存在してこなかったと思います。
このworkは本来的に創作的な活動であるため、
循環的な活動のように「必要を満たす」ことを目的としていなかったからです。

さて、ジャレド・ダイヤモンドは「銃・病原菌・鉄」の中で、
「必要は発明の母」ではなく、「発明は必要の母」と述べています。
長い間ケミカルのマーケティングに携わった者として、
この内容は大変共感しました。

LabourとWorkは人間の活動要素において本質的に異なるものです。
しかし、発明は必要を生み出します。
創作的な活動であるWorkに対して
ITを活用していくことがあるかも知れません。

workの目的は「必要を満たす」ことではないので、
そこに競争の概念が存在するのか?はこれからの大きな問いだと思います。

COVID-19のパンデミックは、
テクノロジーの進んだ近代社会においても
人間の本質は変わってないことを教えてくれました。
戦争を起こすのも、虐殺を起こすのも、革命を起こすのも、
人間の本質から発生しています。

Labourが機械に置き換わった世界で、
今後、IT技術を駆使した新たなヒーローが生まれるかも知れません。

そのヒーローの最大の使命は、人間の本質から目を背けず、
過去と同じ失敗を繰り返さないことだと思います。


><><><><><><><><><><><><><><
<第48号>
デジタルマーケティング その4
><><><><><><><><><><><><><><

かつては
BtoCのマーケティングで最大の論点は「商圏人口」、
つまりマーケティングの対象となるのは面積でした。

コンシューマとの接点は店舗だったので、
生活必需品は、近くのスーパーに買いに行き、
化粧品やブランド品は、遠くの百貨店に行きに行きました。

大都市に百貨店が集積し、
交通機関の発達が商圏人口に影響を与え、
池袋と新宿、難波と梅田、栄と名駅といった
地域間の顧客獲得競争も生まれました。

化粧品やブランド品以外の、
消費サイクルが短い家電製品のマーケットサイズが大きくなると、
秋葉原と新宿のような新たな家電量販店の商圏が生まれました。

かつては
BtoBのマーケティングの最大の論点は「大手顧客」、
つまりマーケティングの対象となるのは
自社製品を購入する可能性のある特定の企業、
さらにはキーマンでした。

一回あたりの取引金額の大きいBtoBの世界では、
キーマンとの関係が構築できているかどうかが重要です。
日本では、「商圏」ならぬ「商権」という言葉が使われ、
ビジネス確立に貢献した商社が、商流に介在し続け、
ビジネスのプレゼンスを発揮し続けました。


しかし、デジタル社会では、根本的にこの構図は変わっています。
すでに楽天、ヤフー、メルカリなど、最初から商圏は全国です。
アマゾンは、最初から商圏は全世界です。

BtoBも、デジタル世界で「マッチング」するということが行われており、
アリババのようなプラットフォームを活用したり、
自社独自でデジタル社会で顧客のキーマンとつながるということを、
どの企業も行わなければならなくなっています。

つまり、かつてはマーケティングの舞台がBtoBとBtoCは異なっていましたが、
今はBtoBだろうと、BtoCだろうと、
WEB上でのプレゼンスを上げていかなければなりません。
それも、グローバルに。

デジタル世界でプレゼンスを上げるためには、
コンテンツの充実が必要です。
そのコンテンツが、ドキュメントではなく、動画に変わっていくのは必然の流れです。
そして、アプローチ方法も画一的ではなく個別化されていきます。

AIが汎用化して、チャットボットの開発が容易になっています。
これまで
BtoCではスーパーマーケットや百貨店の店員が、
BtoCでは営業マンが
顧客と対話していた内容が、
一部チャットボットに置き換えられるようになるでしょう。

そして、グローバルなデジタル市場では、そのチャットボットが、
各国語で対応してくれるようになるでしょう。

その時にまだ、「商圏」や「商権」に固執していた時、
デジタル社会では取り残されてしまう可能性があります。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

メールマガジン「グローバル市場開拓」 
☆発行責任者:牧野好和 
☆公式サイト:http://www.japan-product.biz/ 
☆登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001687506.html
2020-05-03 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

Related article