<第43号> ローカリゼーション その5

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第43号>
ローカリゼーション その5
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

人の流れと物の流れは基本的には同じです。
物は、誰かが運ばなければなりません。

飛行機が飛ぶならば、その飛行機には、
乗客の貨物だけでなく、郵便物も載せてしまった方が
効率的です。

時刻通りに飛ぶことを基本としている飛行機ならば、
納期も読みやすいです。その一方で、飛行機に積むことができる貨物の物量は
限られています。
サイズだけでなく重量もオーバーすると積むことができませんし、
ましては爆発性のある危険物などは載せられません。

重たい物や危険物を輸送するためには海上輸送が必要です。
物が流れるから物流。物を流すのは、人。

今、人の流れが滞っています。
人の流れが滞っても物の流れは滞っていません。
どこかで、誰かが、必死になって頑張っている証拠です。

ビジネスの世界では、画期的な仕組みを生み出すために
がんばった人が注目され、巨大な富を手に入れますが、
実際に、その仕組みを回すために、日々必死になっている人には、
なかなかスポットがあたりません。

こんな有事のときに、物の流れが止まっていないのは、
すごいこと。
スポットを当てられても、困るかも知れませんが、
感謝の気持ちにたえません。

さて、引き続きローカリゼーションについてです。

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<第43号>
ローカリゼーション その5
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ホームセンター、薬局、百円ショップなど、
大量の商品が並んでいる棚では、
SKUという単位で商品が管理されています。

SKUとはStock Keeping Unitの略で、
商品を管理する最小単位のことを言います。

例えば、歯ブラシ。
メーカーや商品だけでなく、ブラシの硬さ、色、
さらには最近はヘッド部分のサイズなど、
様々なバラエティがあります。

これが例えば、メーカー単位の管理ならば、
ライオン、花王、サンスターなど数種類、
ブランド単位ならば、
ビトウィーン、クリニカ、システマ、ピョオーラ、クリアクリーン、ガム、バトラー、オーラツー
などメーカーの数倍の数となってきます。
これがSKU単位になると、それぞれのブランドごとに、
色とか、硬めとか、柔らかめとか、コンパクトとかなどの種類が加わります。

このように歯ブラシをSKU単位で管理するとなると、
百種類を軽く超える数になってきます。

さて、例として歯ブラシを取り上げさせていただいたので、
このまま歯ブラシで進めさせていただきますが、
1本あたり数百円で、かつカートン1箱に大量の数が入り、
かつ軽いという歯ブラシは海外への輸送に適しています。

かつ、生活必需品で誰もが月1本前後購入するという
購買頻度も高い商品なので、売れ筋商品については、
かなり高い精度でデータを取得することができます。

その一方で、日本で売れている商品が、
そのまま海外で売れるとは限りません。

顔の形や食べ物が違えば、的確な商品も変わってきますし、
商品への嗜好も変わってくると思います。
歯ブラシを買い換える頻度もおそらく異なると思います。
私は詳しくないのですが、もしかしたら使い捨て文化という国もあるかも知れません。

歯ブラシが海外輸送に適しているからと言って、
それがグローバルでの競争力に適しているとは限りません。

そこでローカリゼーションが重要なテーマとなります。
しかし、このローカリゼーションも単純ではありません。
日本国内ですら、個人の嗜好が異なる商品を、
さらに海外現地の嗜好に合わせてバライエティを増やしていくと、
生産効率も物流効率も低下するばかりです。

ここでの重要なトピックは、パーソナライゼーションです。

特に、PIM(Product Information Management)などの
テクノロジーを用いて、商品を管理する手法が、
近年では使われています。

次号からはローカリゼーションの中でも、
このパーソナライゼーションを掘り下げていきたいと思います。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願い申し上げます。

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2020-03-29 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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