Population or High risk

ポピュレーションアプローチは、全体を対象として行う手法で、ハイリスクアプローチは、特定の人々を対象として行う手法です。

例えば、健康を増進するために、「全員で歩きましょう!」というのが、ポピュレーションアプローチ。でも、全員で歩きましょうといっても、通常はそれで歩くのは、もともと健康で歩くのが好きな人が大半。本当に歩いて欲しい人は、普段、運動習慣がない人です。そこでハイリスクアプローチは、普段、あまり運動をしない人に限定して、「歩きましょう!」という手法です。

どちらが効果が高いか、といえば、ハイリスクアプローチです。でも、そうやって対象になった人達は、呼びかけをうけている間は歩くかも知れませんが、やめると歩かなくなると思います。特定の人をだけを対象にずっと続けることはできまん。そもそもハイリスクアプローチは公平ではありません。

本質的な変化のためには、ポピュレーションアプローチで底上げすることが必要です。底上げのためには、時間がかかります。ポピュレーションアプローチは長期的に取り組まなければ効果は出ないと思います。

分業が進んで、人々の活動が細分化され、その結果、あらゆることのスピードが速くなっています。そうすると、自分だけは例外という気持ちを誰もが持つようになります。ポピュレーションアプローチは難しくなるばかりです。

SNS等で、同じ考え方を持つ人達がつながり、社会は分断されていっています。ポピュレーションアプローチは、100人ならば100人を対象に行うもので、ハイリスクアプローチは100人中、10人とか20人を対象に行うという考え方は変わっていくように思います。

まず100人を50人と50人の2つに割って、さらに50人を25人と25人の2つに割って、一つの25人の中の一人を抽出して、その一人に対して徹底的にアプローチする。

そんなことが、あらゆるシーンで行われるようになっていくと思います。これがデータ社会の定義であるような気がします。

データ社会は、公平でしょうか?効果的でしょうか?

モノは使いよう。新たな社会で、既存の概念を当てはめると、危険な結果を導きかねないと思います。社会が進化することは望ましいことなので、ツールを使う人の考え方も、進化していかなければならないと思います。

2020-01-23 | Posted in BlogNo Comments » 

Related article