<第29号> GDP その11ケニア

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第29号>
GDP その11ケニア
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

ケニアは、私が初めて訪れた、黒色人種がマジョリティの国です。
全くの未経験でしたので、たくさんのことに驚きました。

まず、美人の女性がたくさんいらっしゃいました。
ハル・ベリーのような、というのが、当時思った印象です。

そして、「ジャンボ」といったスワヒリ語が飛び交っているかと
思いきや、みんな英語を話していました。

走っている車はトヨタの中古車ばかりです。
タクシーに乗ると、日本語でETCカードを挿入してください、と言います。

ホテルに入ると、ベッドに蚊帳があります。
初日は蚊帳の中に入っても、蚊がうるさくて何度も目を覚ましました。

ナイロビの街はきれいに整備されています。
中国資本が作った橋ができてから、渋滞も解消されたと運転手の方が
言っていました。
現地の人から中国への感謝の声を聞くと、
改めて、中国資本のアフリカでのプレゼンスを感じました。

さて、今号は日本の1.5倍の面積を持ち、
人口5000万人弱の多民族国家、ケニアです。

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<第29号>
GDP その11ケニア
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ケニアの現大統領はウフル・ケニヤッタ氏。
1963年のケニア独立後の初代大統領ジョモ・ケニヤッタ氏の御子息です。

ジョモ・ケニヤッタ大統領はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなど、
西側諸国の教育を受け、1978年の在任中に亡くなるまで一貫して、
西側よりの政策を遂行されました。

そのことが、ケニアが地域大国となることの礎をになったとみられています。
ジョモ・ケニヤッタ大統領の後を継いだモイ氏は、2002年までの約25年間、
大統領を務めました。

そしてモイ大統領にもとでウフル・ケニヤッタ氏は国会議員、そして閣僚に就任。
モイ大統領の後継者争いではキバキ氏に破れましたが、
2013年にキバキ大統領の後を継いでいます。

民主的に選ばれた大統領が安定的な政権を運営してきた点が、
ケニアの特徴でしたが、2007年の大統領選では、
死者1,200人、国内避難民50万人超の大きな内乱を経験をしています。

また、今年1月にはナイロビのホテルがテロ攻撃の対象になりました。

ナイロビ国立公園などの観光資源が豊富で、
タンザニアからケニアに野生動物が移動するGame Migrationなどが
行われるなど、日本でも知名度が高いケニアですが、
アフリカ各国の例に漏れず、民族間の対立という内在的な
課題を抱えている点は忘れてはなりません。

さて、ケニアの一人当たりの名目GDPです。
今回もJETROホームページを参照しています。
(単位:USドル)

2009年 982ドル
2010年 1,039ドル
2011年 1,055ドル
2012年 1,239ドル
2013年 1,319ドル
2014年 1,431ドル(推定)
2015年 1,453ドル(推定)
2016年 1,559ドル(推定)
2017年 1,695ドル(推定)
2018年 1,857ドル(推定)

一人当たりの名目GDPとしては、ベトナムよりも若干低い水準と言えます。
この10年で倍の水準となっている点もベトナムに似ています。
また、農業国である点もベトナムと似ています。
東アフリカ最大のモンバサ港を擁し、東アフリカの貿易の玄関口と
なっている点も、ベトナムと似ています。

ケニアは、西側諸国や日本からの経済協力を受け、産業振興を進めているものの、
コーヒーや切花などの農産物を輸出し、自動車や機械を輸入する構造で、
輸入額が輸出額の2.5倍近くという、貿易赤字です。

ASEANやアジア諸国との二国間産業協力などで、
戦略的に自国の工業化を進展し、輸出額が輸入額を上回っているベトナムとは
大きな違いがあります。

安定的な政権運営が継続されたとしても、
アジア新興国のような成長性を期待することは難しく、
かつ、多民族国家に伴う政治的なリスクも抱えています。
ケニア市場に取り組むのは簡単ではないと言えます。

一方で、ケニア・タンザニア・ウガンダ・ルワンダのスワヒリ語圏の合計で
日本を超える人口を擁しています。
また、成長著しいエチオピアとも隣り合っています。
ケニアという国だけを見るのではなく、
東アフリカ経済圏の入り口として見た場合、
長期的には大きな市場を形成することは間違いないと言えるでしょう。

現在、ケニアにとって最大の輸入相手国は中国です。
モンバサーナイロビ間の鉄道への中国の経済援助、
一帯一路フォーラムへのケニヤッタ大統領の招待など、
中国は戦略的にケニアでのプレゼンスを高めています。

アジア諸国と比べて市場参入の魅力は現時点で低くても、
参入のきっかけを速い段階で把握しておくことは
大変重要と言えます。

今号の内容は以上です。
来週も何卒よろしくお願い申し上げます。

2019-12-01 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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