<第3号>独占販売代理店
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第3号>
独占販売代理店
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。
一人で出来ることは限られています。
どんなツールを使っても、一人で十人分の仕事をすることは難しいと思います。
だから、たくさんの仲間がいるということは、
それだけ大きな仕事ができると思います。
一方で、仲間が増えれば増える程、方向性をあわせることが難しくなります。
人数が少ないうちは、お互いの意識を合わせやすいですが、
人数が増えると、バラバラになりやすくなります。
だから、多くの人たちを取りまとめる人が必要であり、
その取りまとめる人の力量次第で、組織の力は左右されます。
では、その取りまとめる人の力量とは何か?
それは、知識、経験、情熱、信念、
そして相手を理解する気持ちを併せ持つことだと思います。
リーダーとしての役割を果たすことは大変難しいです。
日々一歩一歩、自ら成長し続ける以外に、方法はないと思います。
さて、第3号の内容です。
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<第3号>
独占販売代理店
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海外の代理店と契約する際、
代理店側から「独占販売代理権」を要求されることがあります。
代理店にとっては、もし他にも代理店があれば、
同じ製品で価格競争をしなければならなくなる可能性があるので、
むしろこの「独占販売代理権」を要求してくるのが普通であると思います。
一方で、代理店を認定する側からすれば、後からもっと販売力のある代理店が
見つかる可能性があるので「独占」という形で販売代理権を与えることには
心理的に抵抗があります。
「独占販売代理権」を与えたにも関わらず、その代理店が真剣に販売促進を行わない場合は、
市場開拓の機会を失ってしまうというリスクがあります。
グローバルに知名度のあるブランドではなく、
これから海外に本格的に展開しようという場合、
代理店候補と優位に交渉を進めることは難しく、
この段階で代理店候補との契約を躊躇してしまうケースがあります。
そこで、この「独占販売代理権」の考え方を、
「排他的独占」と「独占」に分けて交渉するという方法があります。
「排他的独占」とは、テリトリー内でその販売代理店以外は一切販売活動を行えないという条件です。
一方「排他的」ではない「独占」は、他の代理店は一切販売活動を行うことはできないが、
自社が直接販売活動を行うことは認める、という条件です。
「排他的独占」の場合は、自社も販売ができないですが、「排他的」でない「独占」の場合は、
自社で販売ができるので、少なくとも市場開拓の機会を失うというリスクは回避でき、
またそれによって独占販売代理店に対する牽制の役割を果たすことができます。
この場合、英語では、「排他的独占」を”exclusive”と表現し、
「排他的」ではない「独占」を”sole”と表現することで区別することができます。
“sole”として交渉する際には、自社が直接販売活動を行うことがあることを、
代理店側に認識してもらうことも大切です。
また、独占販売代理店を与える場合は、
最初の段階では契約期間を自動更新にするのではなく、
1年や2年など期間を定めることも重要です。
なお、独占販売代理権を認める場合、
競業品の取り扱い禁止や最低購入数量を定めるといったことも
重要な検討事項ですが、これらの義務は市場開拓の初期段階では
合意が難しい内容です。
そういった意味でも、最初は権利も義務も緩やかに、
そして関係が継続するにつれて、与える権利を大きくするならば
それに応じて義務も大きくしていくといったテクニックも
大切であると思います。