Face to Face

昨日はある専門小売業の株主総会に参加させていただきました。

全国区の小売業ですが、発祥の愛知県で株主総会を開催されています。千人近く、株主の方が参加されていたのではないかと感じました。

株主の方は、同時に、店舗を利用している顧客の方でもあります。株主総会では、そういった「顧客」の立場からの意見がほとんどでした。

驚いたのは、創業者である会長が議長を務め、ずっと立ちっぱなしで、「顧客」としてのすべての質問に一つ一つ、大変誠実に回答されていたことです。その姿勢からは、誠心誠意を超えた、一つひとつの意見、それもクレームに近い意見を、普段から本当に大切にしているという姿勢で、大変丁寧に回答されていることを感じました。

もし、これが演技だったら、アカデミー賞の俳優も顔負けです。絶対に演技ではなく、地域の一人ひとりの顧客がいて初めて400億を超える売り上げがあるということに対して、心のそこから敬意を払っていることがわかりました。

そして、子会社の社長と常務を務められている、私よりも若い二人の息子さんたちの大変立派な応答を見て、いったい私は今までどれだけ楽な人生を送ってきたのだろうと感じざるを得ませんでした。息子さんたちのどちらかがいる限りは、この企業は絶対に成長し続けると感じました。

何も知らない、始めて参加した株主総会でここまで強烈な印象を覚えました。やはり、テレビ等でみるのとは全然違うな、と思いました。

経験っていうのは、いろいろありますが、総じて、どれだけFace to Faceで人と向き合ったか、ということだと思います。文章を書く上で、語彙力とか想像力も重要ですが、それに加えて、やはり取材とインタビューがないと、生きた文章にならないと思います。

プログラミングを極めるっていうのも経験ですが、そのプログラミングを生かすためには、そのプログラミングを必要としている人の意見が必要。超一流の知識や技術を持っていても、Face to Faceで向き合った時に、相手の目指している内容がわからないと、その超一流の技術や知識を生かすことができないと思います。

きっと、この小売業の創業者の方にとって、株主総会の場は、わざわざ会場まで熱心に足を運んでくださる株主そして顧客の方と、Face to Faceで向き合う、貴重な場なのでしょう。

私の場合、はお金とか、地位とか、成功に興味ない、経済的にはいわゆる弱者や敗者という立場ですが、姿勢として、将来、あんな素晴らしい人になりたいな、と心のそこから思いました。あの創業社長の方は、今の私の年齢と同じ年齢の時にはすでに事業で成功され、そして株主総会の議長をされていたと思うので、まあ、率直に言って一生たどり着けない領域ですが、その領域を見ることができたのは大変貴重でした。少なくとも、明日から、一つひとつのFace to Faceを、本当に大事にしていこうと、心の底から思いました。

ありがとうございました。

2019-05-25 | Posted in BlogNo Comments » 

Related article