GAFA
サニブラウン選手が100mで10秒を切りました。桐生選手一人9秒台の場合と、9秒台が二人いる場合では、全然意味が違うと思います。追う方と追われる方。凡人には思いもよらない、とんでもない世界で刺激し合っていくのだと思います。日本の100mは大変楽しみです。いや、100mだけでなく、その他の種目に対する影響も大きいのではないかなと思います。
テニスも、フェデラー選手、ナダル選手、ジョコビッチ選手が黄金時代を築いています。最強の選手がいるときは、必ず最強のライバルがいる。
日本の自動車産業がグローバル市場で高いプレゼンスを発揮しているのは、トヨタだけがすごいのではなく、日産、ホンダ、三菱、マツダの存在が大きいと思います。それだけでなく、デンソーやジャトコやアイシンやパイオニアの存在も大きい。ヤマハの存在も大きい。
開国後日本経済が急速に成長したのも、三井、三菱、住友、安田を中心とした財閥があったからだと思います。
最近言われているGAFAとBATH。アメリカにはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンがあり、中国には百度、阿里巴巴、騰訊、華為がある。最強の企業には、最強のライバルがある。
日本にとってGAFAやBATHがないということが言われていますが、果たして必要でしょうか?
モビリティは賛成ですが、モビリティには最強のライバルは生まれるでしょうか?あるいはトヨタとソフトバンクはライバルになり得るでしょうか?
GAFAもBATHもIBMもマイクロソフトも、意識しなくていいんじゃないかなと思います。
日本は国土が狭いけど、四季が豊かです。資源はないけど技術があります。その技術はとてつもない発想で、とてつもないアルゴリズムをつくって、全世界をパクッと飲み込むような技術ではなく、豊かな自然とともに生き、そして様々なすり合わせを行なって仕上げるような技術です。
私はその答えは、電池じゃないかなと思います。プラットフォームはビジネスとして美味しいかもしれませんが、それならば美味しいビジネスに興味がある人がやればいいと思います。もし日本に、そういった美味しいビジネスに興味がある人がたくさんになったら、日本の将来は衰退するでしょう。
民間でロケットを飛ばしてしまうすごい人たちがいます。
常に誠実に、人と人との繋がり、感謝と感謝の連鎖でビジネスを作っている人たちがいます。
世界中に困っている人たちがいます。その人たちが気がつかないところで、隠れて誰かがそれを解決していたりします。そういったところで日本の技術は使われています。
GAFAもBATHも、すごいと思いますが、コツコツと頑張っている企業もすごいと思います。日本には最強のコツコツ頑張っている企業があります。そしてコツコツ頑張っているライバルだらけです。間違いなく世界で最強のコツコツ軍団。第2位のドイツを大きく引き離しています。
日本でもし、GAFAに匹敵する企業が生まれたとしても1社か2社。でもコツコツやっている企業は何万とあります。このコツコツやっている企業が電池とかのものづくりで競争を始めたら、それはそれはすごいなと思います。自然に循環する茅葺屋根とかの建築資材で競争を始めたら、それはそれはすごいなと思います。
ユニコーンとかGAFAとかはとりあえずそちらの世界で頑張ってもらって、私たちはみんなでコツコツコツコツと頑張っていたら、きっといいことがあるんじゃないかな、と思います。例え、美味しいところは全部GAFAかBATHに持って行かれたとしても。