Honesty

納期が来週の月曜日だったとします。リーダーがメンバーに納期に対応してもらう際に、本当の納期を伝えずに、納期は今週の金曜日と伝えたとします。

これは誠実でしょうか?それとも不誠実でしょうか?

メンバーが最大限努力した結果、金曜日までに仕上がらなかったとします。メンバーは徹夜覚悟でなんとしても土曜日朝までに仕上げると言っています。でもそこまでしなくても、月曜日中には必ず仕上がることがわかっているとします。リーダーは最後まで、納期が本当は月曜日だと言わず、メンバーはがんばって土曜日の朝に仕上げたとします。

これは誠実でしょうか?それとも不誠実でしょうか?

メンバーが本当の納期は月曜日ということが、最後まで分からなければリーダーのとった行動が咎められることはないと思います。メンバーがたとえ、本当の納期が金曜日ではなくて月曜日だと知ったとしても、メンバーは金曜日納期だったら自分たちは間に合っていなかったので、納期を早めに伝えたのはリーダーの一つのマネジメント手法であると、おそらく受け止めると思います。

おそらく、韓非子に従うと、このリーダーのとる行動は正しいのでしょう。メンバーはあくまで権力に従っているだけなので、そのメンバーを刑罰と恩賞によってマネジメントをしていくという考え方にたち、納期を守ることを最優先とした考え方だと思います。

しかし、リーダーが正しい情報を伝えていないという事実は間違いありません。メンバーは、常に正しい情報を伝えるリーダーと、一度でも意図的に間違った情報を伝えたことがあるリーダーのどちらを信頼するのでしょうか?

常に正しい情報を伝えるリーダーは、信じる力を持っている、強いリーダーだと思います。

信じる力を持っているリーダーは、誠実。誠実なリーダーは、メンバーに対してだけでなく、ユーザーに対しても誠実であるはずなので最初から、メンバーに対して「納期は月曜日」と伝えた上で、確実に納期を守るはずです。

信じる力を持っているリーダーが最強と思います。しかし、世の中細分化されて、専門家されて、自分の力も考えも及ばないことがたくさんあり過ぎます。こんな時代に、信じる力を持って、メンバーにもユーザーにも誠実であり続けるのは大変難しい。仕事は常に新しいことへの挑戦であると考えると、すべて誠実であるっていうのは不可能ではないかな、と思います。

だからこそ、人は、誠実を追求するのだと思います。誠実でない自分の弱さを知り、人を信じられない自分の弱さを知り、それを克服しようと、あえて信じて、そして一緒になって汗をかき、一生懸命、誠実であり続けようとするのだと思います。

2019-05-12 | Posted in BlogNo Comments » 

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