Border

太平洋戦争で日本が負けて、日本に占領されていた朝鮮半島は国連の保護のもと独立国家としてのスタートを切る予定でした。

しかしそこで東と西のイデオロギーの対立が起こります。ソ連と中国の支援を受けた北の朝鮮民族と、アメリカの支援を受けた南の朝鮮民族が、同じ民族同士で戦うことになります。一度は釜山に追いやられた南の朝鮮民族ですが、北の隙をついてソウルを奪還したことで北緯三十八度線を境に勢力が均衡します。北朝鮮と韓国という二つの国が誕生しました。

 

明智光秀を討った豊臣秀吉は天下人となります。天下人に逆らうことなく、したたかに東への勢力を広げる徳川家康。そして、関ヶ原の戦いで西の勢力を破った徳川家康は天下人となります。同じ民族で東と西で戦った日本。戦いは、どちらかが勝ち、どちらかが負けることによって、解決されていきました。

 

戦いは、どちらかが勝ち、どちらかが負ける。戦いは悲惨ゆえに、戦いの後には平和が訪れる。しかし、朝鮮半島の戦いは、なかなかそうはいっていません。

 

朝鮮民族は全く何も悪くないにも関わらず、国際社会の都合で、北朝鮮と韓国という二つの国家が生まれ、同じ民族で対立せざるを得なくなりました。家族が北と南に別れて暮らさなければならない人もいました。もともとは日本が侵略したのが原因です。侵略した日本が負け、南にはアメリカの境界ができた。侵略した日本が負け、北にはソ連の境界ができた。朝鮮半島内の対立ならば、関ヶ原の戦いのようにどちらかが勝って、どちらかが負ければ解決ですが、朝鮮半島で対立しているのはそこに住んでいない東と西の人たちの都合なので話が常にややこしいです。

北朝鮮がミサイルを飛ばすと、制裁を受けるのは北朝鮮。でも制裁をする側が見ているのはロシアと中国です。そのバランスをとりながら、北朝鮮を非難する。その矛盾に気がついていた北朝鮮の3代のトップ達は、北朝鮮という一つの国としてのプレゼンスを高めるためにしたたかに軍事力を強化。兄は海外を旅してしたたかに情報を収集。何者かに兄が殺されたタイミングで、自らの力で開発した兵器の実力を証明したとたん、それまで形だけの非難で、実態については全くスルーして、「悪の枢軸国」とかいって勝手に言いたい放題言っていた大国達が、北朝鮮を一つの国として見るようになりました。それに敏感に反応したのが韓国。朝鮮半島で生じている、朝鮮半島以外の国々の人たちの問題を、朝鮮半島の人たちで解決しようとし始めました。それにのっかったのが、北朝鮮の今のトップ。なんとアメリカと首脳会談をやるところまで持って行きました。

と、勝手に空想して見ました。何が事実で、何が空想なのかはわかりませんが、限りなく空想です。

ただ一つ、事実だろうと空想だろうと、はっきりしているのは、境界線が重要だということ。戦いは常に、境界線上で起こっています。

核の傘で平和が守られる時代は終わりつつあります。アメリカも世界の警察としての役割を担うことが難しくなっています。アメリカ、ロシア、EU、中国という4つの大国。朝鮮半島、台湾、そしてイランやシリアといった境界線。それらと接していて、バランスをとっている次の大国のインド。

 

日本は、紛れもなく、境界にいます。それもギリギリの境界です。もし、ポーンと、何かが破裂したら、家族を守ることすら難しい時代に簡単に突入すると思います。少しづつ、そういった脅威が出ていて、そして少しづつ、そういったことにならないようにという動きも出ている。戦う側に回る人と、戦うことを食い止める側に回る人の間にも、境界が生まれそうです。

 

情報が氾濫して、たくさんの空想ができるようになればなるほど、いろんなものの境界が生まれます。境界がある以上は、その境界から、右にいくか、左にいくか、決めなければならなくなります。境界線上に立っていると、右からも左からも、攻撃されます。境界なんか、ない方がいいな、と思います。

2018-04-15 | Posted in BlogNo Comments » 

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