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マス・コミュニケーションは、不特定多数の人に対して情報を発信する力を持っていますが、不特定多数の人っていうのは、つまりは誰かだと思います。情報が目の前を通り過ぎた時に、その情報をキャッチする人とキャッチしない人がいる。不特定多数の人に情報を発信するということは、誰かは特定できていないけれども、その情報をキャッチするだろう人に向けて情報を発信するということだと思います。

政治家にもジャーナリスト含めた論客にも、保守とリベラルという分類があります。同じ情報に基づく判断でも右に行く結論になる人と、左に行く結論になる人がいる。そうすると、情報を発信する側にも、同じ情報でも右に行かせようとする人と、左に行かせようとする人がいる。

こう考えると、マス・コミュニケーションというのは、情報を発信する側も受け取る側も主観的になる傾向があると思います。だからマスコミュニケーションは政治的に利用されてきたし、その反省から日本国憲法13条は表現の自由を定めている。

 

確固たる真実、そして誰も気がつかない真実に気がついた人がいるとします。例えば歴史的な大発見といえる研究結果が出た時とか、あるいは犯罪を目撃したときとか。

そういう時に、人はいきなり、不特定多数の人に向けて情報を発信しようとするでしょうか?おそらく、しないでしょう。まず最初に、最も信頼できる特定の人だけに発信すると思います。でも、それだけでなく、きっと、その真実をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思うに違いありません。

一方で、情報を発信したことによって、自分自身が窮地に立たされるようなことは避けなければなりません。情報が婉曲されることも避けなければなりません。またその情報を他人の情報として奪われることもないようにしなければなりません。

情報は、価値が高ければ高いほど、取り扱うことが難しい。また、時間が経てば価値が変わるかも知れませんので、発信するタイミングが重要になることもあります。

結果として、情報を取り扱うためには信頼が大事だと思います。誰に対して情報を発信するか?情報を持ってしまった自分を保護することが最優先ならば、最初に情報を発信する先は弁護士の先生かも知れません。自分を守ってもらいたいけど、その一方で、情報を広めたい場合は、最初に情報を発信する先は、取材源を秘匿してくれて、真実の情報をきちんと発信してくれるジャーナリストかもしれません。

 

正しい情報を発信している人には、正しい情報が集まり、間違った情報を発信している人には、間違った情報が集まる。

すべてのコミュニケーションに当てはまると思います。

 

正しい発言を続けること。難しいけど、とても重要なことだと思います。

2018-03-25 | Posted in BlogNo Comments » 

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