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朝街を歩いていると、まだ開いていない店舗の中で、開店準備をしている人たちをガラス越しにみることができます。どの店も開店準備の時間はとても忙しそう。開店前の店舗にはエネルギーが溢れていると思います。開店前に店の前で並んで待っている人もいます。それぞれ来店の目的は様々でしょうが、早く店が開いてほしいと思っている気持ちは、一緒だと思います。
開店前の店舗って、素敵だな、と思います。毎日、準備をする。その準備は来てくれるお客様のためです。そしてそのお客様が買い物をして帰って、満足したお客様はまた来てくれる。満足したお客様でも、もっと満足した店が他にあれば、次からはそっちに行ってしまうでしょうから、お店は毎日一生懸命です。
小学校とか中学校の時のクラス替えを思い出しました。誰と同じクラスになるかな?と、クラス替えの時はワクワクです。でも次第に慣れます。1年経つと、またクラス替えにワクワク。そして41歳になった今、小学校や中学校の時の友達と会うことはほとんどありません。年賀状を交換するだけ。でもすごく久しぶりに会った時、これはまたワクワクです。
開店前の店舗にエネルギーが溢れているように感じるのは、このワクワクが原因ではないでしょうか?今日は誰が来てくれるかな?今日は忙しくなるかな?
そして1日が終わり、疲れきる。でも翌朝にはまたワクワクです。朝エネルギーに溢れ、1日で使い切って、ヘトヘトになって寝る。起きた時はまたエネルギーに溢れている。生きていれば、いいことも嫌なことあるけど、朝起きた時に何かしらのワクワクが待っているというのは、全員に共通だと思います。1日をリセットするのが夜の間。朝はワクワクする。クラスをリセットするのがクラス替え。クラス替えはワクワクする。1週間をリセットするのが週末。月曜にはワクワクする。1年をリセットするのが大晦日。正月にはワクワクする。これからやってくる未来に対して、みんな毎日、毎週、毎月、毎年、ワクワクしています。
ワクワクを感じなくなったらつらいなと思います。毎日同じ道を通って、毎日同じ服を着て、毎日同じ人に会い、毎日同じ話をして、毎日同じものを食べる。嫌なこともないかも知れませんが、いいことがあるかもっていうワクワクもありません。
24時間開いているコンビニエンスストアは、ワクワクを持つのが大変だと思います。自分の都合のよい時間に送ることができるメールを多用していると、素敵なコミュニケーションがあるかもというワクワクを持つのも大変になると思います。見たい時に、みたい番組をみることができるようになると、映画館にいく時のようなワクワクを持つのも大変になると思います。
みんなが気持ち良く協調して生きていくには、ある程度のリセットが必要なんじゃないかな?国連の安全保障理事会も、IMFの議決権もリセットしたらいいんじゃないかな?全部リセットしたら、国際社会は機能不全になると思いますが、意図的に一部、リセットしてみることも大切なんじゃないかな、と思います。
一旦リセットして、みんなでワクワク。世界が一つになった時に、みんなが同じことをするのではなく、みんなが違うことして、それぞれがワクワクしていると素敵だなと思います。