戦闘力 – Combat Power-
アニメのドランゴンボール。宇宙から来たサイヤ人が、主人公の孫悟空の戦闘力を測定します。ピピって測定して、まあ、こんなもんか、と。しかし孫悟空がスーパーサイヤ人に変身すると、あまりの戦闘力の高さに測定器が壊れます。多少間違っているかもしれませんが、子供の頃必死になって読んでいたので、大きくは間違っていないと思います。そして、最近、この測定器、そろそろ世の中に出て来そうだな、と思います。
スマートフォンの中はセンサーだらけです。スマートフォンを持ち運ぶだけで、かなりのものを測定できます。さらにウェアラブル端末が普及し、時計や眼鏡だけでなく、シャツにも、さらには体の中にも半導体を埋め込もうという動きがあります。IoTであらゆるものがデータとして測定できるようになっています。今科学的に分かっていないこともデータから発見され、データで証明されるかもしれません。
そうすると、身長170センチで、体重60キロの、41歳で、毎週テニスをしてたまにゴルフをして、1日の平均歩数が1万5千歩で血圧110/70の日本人男性と、身長185センチ、体重80キロ、高校時代アメフトの選手で、1日の平均歩数が1500歩で血圧150/ 90の41歳のアメリカ人男性と、どっちが強いか、客観的に証明できるようになるでしょう。
そのうち、信号機のような感覚で、戦闘力測定器がインフラとして道路上に設置されるようになるかもしれません。そうすると、戦闘力の高い集団が一斉にやってくると、なんだ?となる。ああ、野球の選手達か、ということもあれば、テロの場合かもしれない。野球の選手達なのか、テロなのかも、データで確率を分析することができます。テロの可能性が高かったら、GPSで追跡です。そうすれば、テロ対策法も共謀罪も必要なくなるのではないかと思います。
こんな風に、すべてデータで測定できるようになると、誰が強いかはっきりするので、威嚇する必要などなくなります。北朝鮮がミサイルを発射したり、アメリカの空母を北朝鮮近海にいったりする必要もありません。威嚇する暇があったら、必死になって鍛えて、自分の戦闘力を高める方が重要です。
もちろん、戦闘力測定の根拠には、知能もあります。今、私はDuolingoという語学のアプリでいろんな言語の勉強をしています。ゲームに従って進めていくと、自然に言葉を身につけることができます。ペラペラになるかどうかは知りませんが、私のような初学者にはかなり有効。ゲームのように進んでいくので、自分がどのグレードにいるかはっきりします。友達と進捗を比較することもできます。おお、あいつはもうこんなに点数とっているのか、と。将来、知的戦闘力はゲームで測定できるようになるのではないかなと思います。
もちろん、戦闘力には、根性など精神力もあります。これはゲームでは無理でしょう。でも、そもそも心も体も日々鍛えることができる人は精神力の強い人なので、あえて戦闘力測定の項目に精神力の数値は必要ないかも知れません。
戦闘力が高い人は、たくさん報酬を得られる代わりに、戦闘力の低い人を守る義務があるようにすれば、公平になるかも知れません。そうなれば、自然と戦闘力が高い人は、尊敬される。お互いを批判しあったり、嫉妬したりすることもありません。
もしかしたら、IoTで、人間の体のすべてをデータ化すれば、世界の平和を実現できるかも知れません。それは、それで、人類が今まで一度もなし得なかった偉業ですばらしいことです。でも、それじゃあ、人間はロボットと同じでしょう。嫉妬があるから人間。威嚇があるから人間。個性があるから人間。
人々は今、IoTでデータ化される時代にまっしぐらに向かっています。それがいいのか、悪いのか、まだやって来ていない未来なので答えはありません。どんな未来かわかりませんが、人間らしさを失わないまま、コンパッションを実現したいものです。