-Norway-

コンサルタントの仕事をさせていただいている時に、ノルウェーの方々とミーティングをする機会をいただきました。ノルウェーは一人当たりのGDPが高く、裕福な国であるとお聞きしました。

その時に思ったのは北海油田。カタールにしても赤道ギニアにしてもそうですが、人口が少ない国に豊富な天然資源があればその資源の輸出から得られる富からの配分も大きくなるため、豊かになる。だからノルウェーは豊かなんだろな、と思っていました。

確かに富という点での豊かさは石油資源に依存するところもあると思いますが、そもそもその豊かさは富ではないのじゃないか、と最近思います。

女性の就業率は世界一。男性も15時には仕事を終えて育児。給料の3割は税金として徴収される一方で充実した社会福祉。綺麗な景色。ルスという一生に一度のなんでも許される時期。すべての人が、平等であるべきで、平等な人々同士で、一瞬一瞬を楽しもう、楽しむために、一生懸命働こう、というそんな豊かさを感じます。

日本程豊かな四季はないので、おそらく日本のように美味しいものはたくさんないと思います。厳しい寒さのため穀物もそれほど収穫できないと思います。しかし日本よりもはるかに高い食料自給率。自分たちの置かれた環境の中で、できるだけ対外的に依存せずに精一杯生きていこうという感じを受けます。だからこそ徴兵制度も残っていて、厳しい部分もありますが、それは平和な生活を維持していく上で必要なものであると受け入れている。

共存を求めている国だと思います。自分が豊かになろうという気持ちはもちろん人間だからありますが、自分だけが豊かになろうということに罪悪感を感じる人の割合が、他の国よりもちょっとだけ多い。困っている人がいたら、助けることが当たり前だと思っている人の割合が、他の国よりもちょっとだけ多い。今生きていけることが、自分だけの力ではないと思っている人の割合が、他の国よりもちょっとだけ多い。そんな感じじゃないかなと思います。

大学生の時、BS番組でリニエ・アクアビットの特集を見ました。製造後1年間蔵で寝かせた後で赤道まで航海にでる船に乗せて、戻ってくることで醸造させるそうです。極寒のノルウェーから常夏の赤道へ行って帰ってくる間の自然の温度変化で、リニエ・アクアビットの醸造が完成します。まさに自然とともに生き、自然を生かす知恵。これがノルウェーの人に備わっている人間性かと思います。

昔の日本人と似ているなって思います。

2017-03-11 | Posted in BlogNo Comments » 

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