行動 – Action-

安倍首相のパールハーバー訪問は、とても重要なことだと思います。オバマ大統領の広島訪問もとても重要なことだと思います。一方で、第二次世界大戦で、実際に被害あった方々は、日本の方は安倍首相のパールハーバー訪問に、言葉では表せない複雑なご心情と思います。同様に、実際に日本の被害にあったアメリカの方々は、オバマ大統領の広島訪問を受け入れられないお気持ちも強いと思います。

だから、どちらも、お詫びは決してできません。追悼の意を述べることも難しい。国全体を代表しているから、多数派とか、駆け引きとかそういう政治の世界とは別に、決してできないことは、いかなる理由であっても、決してできないと思います。

そういった中で起こした行動は、大きな変化。この行動が、たとえ正しいことであっても、タイミングを間違えば誤りとなります。安倍首相のパールハーバー訪問は、今このタイミングしかなかったと思います。そして、そのタイミングを作り出したオバマ大統領の演出もまたすばらしい。

 

行動を起こすか、起こさないか?行動を起こせば失敗をする可能性があるし、行動を起こさなければチャンスを逃す可能性がある。考えるよりも先に動く人と、考えてから動く人と、どちらが行動力があるか、どちらが成功する可能性があるか、その答えはわかりませんが、背負っているものが大きければ大きいほど、行動に伴う責任は大きく、行動ができなくなるということは総じて言えるでしょう。

 

今回のオバマ大統領の広島訪問と、安倍首相のパールハーバー訪問を見て、日米は、いつからこの問題を考えていたんだろうなって思いました。そして、この次は何を目指しているんだろうと。時間とともに人は寛容になる部分もあります。その一方で、絶対に忘れてはならないこともある。だから二度と同じ過ちは犯さないという決心ができる。そして世界は2カ国で形成されているわけでないので、たとえ2カ国間で解決されても、その解決されたこと自体が、周辺国の反発を招くことだってある。

 

人の利害は多くの場合、相反します。そして、人の考え方は、それ自体、バラバラです。だから絶対に正しい答えなどあり得ない。だから、一人一人が正しいと信じる道を目指して、一つ一つ行動を起こしていくこと、行動をしながら、様々な人の考え方を学ぶことが重要だと思います。

 

テクノロジーの進展で、世界はどんどん専門特化していきます。仮想世界も出来上がりつつあります。まっすぐ信念を貫き、そこに向かって行動することは、日々難しくなる一方です。だからこそ、コンパッションが必要です。過ちを許すこと、違った考え方を受け入れること。寛容もまた、コンパッション実現のために不可欠だと思います。

 

世界1位と3位のGDPを持つ国の首相がそれぞれ起こした行動は大きいです。多くの人が、何かしらの影響をこれから受けることになるでしょう。その時に、自分自身が正しいと持つ考え方を持つこと、そして自分以外の考え方を寛容をもって受け入れること。この2つが、とても重要になると思います。人類が二度と悲劇を繰り返さないために。

 

2016-12-30 | Posted in BlogNo Comments » 

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