万物は流転する - Tout écoule –

神聖ローマ帝国皇帝のハインリッヒ4世はローマ教皇グレゴリウス7世に破門され、

雪の積もった城門で3日間、裸足のまま、破門を解かれるまで祈りを続けました。

これが、カノッサの屈辱

 

その後に登場した修道士ルターは、ローマ教会から破門されても、

教会ではなく聖書に従うとして反撃。

ルターの活動は宗教改革としてヨーロッパ全域に広がります。

 

 

フランスで絶対王政を享受し、ベルサイユ宮殿を建設したルイ14世は、

プロテスタントが信仰を理由して迫害されないことを約束した「ナントの勅令」を廃止。

その結果、商工業を営んでいたユグノー(プロテスタント)の国外流出が加速します。

 

聖職者、貴族、その他という三つの身分に分けて、

聖職者と貴族のみで決定する三部会という議会がルイ16世によって招集され、

商工業を営んでいた人たちの反発を招きます。

 

そしてフランス革命につながります。

 

 

毛沢東は、日本軍、そしてその後は、国民党政権に反感を抱く貧しい農村部の支持を得て、

共産党の勢力を拡大させ、中華人民共和国を設立します。

一方、蒋介石は国共内戦に敗れ、台湾に行きますが、台湾でも二.二八事件で

抗議デモを武力で徹底弾圧するなど、台湾全土に戒厳令をしきます。

総統になってわずか1年で反発を買い辞任。

 

 

チェコスロバキアのドプチェク大統領は、プラハの春をおこしますが、

ソ連の軍隊によって追放されます。

しかしその後、ビロード革命を発端として民主化革命がおき、

それをきっかけに東ヨーロッパ全域で民主化の流れが起こります。

 

そして、中東および北部アフリカの軍事政権に反発して起こったアラブの春。

 

 

 

時代は常に、支配するものに反発する民衆によって、大きな変化が起こります。

 

支配するものがいて、反発する民衆が革命を起こし、民主化する。

民主化後は、新しい秩序が支配します。

その支配もまた、反発するものによって、いつか変化します。

 

東西ヨーロッパが統一され、その後EUが発足します。

しかし、合議体であったはずのEUは、いつの間にか、

ベルリンがヨーロッパの政策を決定しています。

 

それに反発した英国がEUを離脱。

 

 

国際司法裁判所の決定に従わない中国。

アジアにおける中国のプレゼンスに反発するベトナム、フィリピン。

一方で着実に力をつけるインド。

 

元寇は神風と武士の団結、そして南宋の協力によって防がれます。

 

その後起こった室町幕府。

足利義満は日本では金閣寺を建設するなど栄華を極めました。

明とは朝貢貿易を行います。

足利義満が明の皇帝が暦を与えられるということは、明への服属を意味しました。

 

 

 

万物は流転する。

 

支配と従属も流転。

支配も秩序も、必ずいつか終わりを迎えることは確実。

世の中には絶対などないことも確実。

人はいつか死を迎えなければならないことも確実。

 

今ある時は、1分も1秒もすべて、流転の中の一つのプロセスです。

一つ一つのプロセスが結果を作り、

そのプロセスは一人一人によって、成り立ちます。

 

 

選挙の一票。

日々の仕事。

今日出会った人。

今から食べる食事。

 

 

それぞれ全部流動的ですが、それぞれ全部、世の中を作っている大事なプロセスの一つで、

それが、グローバルでの大きな流れを作り出します。

 

そして、ITの発展は、そのスピードを凄まじく早めました。

 

昔から、「一寸先は闇」という言葉があります。

 

 

とりあえず最優先は、「今から食べる食事」を、大切にすることかな、と思います。

「今から食べる食事」がすさまじいスピードで「一票」になり、政治になり、地球になっていくのだと思います。

 

 

 

 

2016-07-24 | Posted in BlogNo Comments » 

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