排他 – exclusive-
「絶対に人を排除するな」
私の大恩人であるザンビアのタクシー運転手アンドリューの言葉です。
イギリスのEUからの離脱に賛成した地域の特徴は、移民が少ない地域。
移民の多い地域は、残留に票を投じたそうです。
移民の影響を受けているのは当然移民の多い地域。
つまり、移民の影響を受けていない地域が、移民の影響を恐れて離脱に票を投じたということになります。
そして、イギリスがEUからの離脱を決めてからは、
今度は移民ではなく、
イギリス国民同士がお互いを攻め合っています。
移民とEUとは関係ないので、扇動されたということも言われています。
本当は EU離脱は望ましくないのに、自分がEU離脱に票を投じたのは、誰々のせいだと。
つまり、一票の重みに対する無責任な考え方。
危ないのは、EU離脱という事実そのものよりも、このこと。
自分を守り、他人を排除する。
それを、身近になった情報媒体で発信して、
さらに溝を深めていく。
スピードの速い時代、情報伝達の境目がない時代だからこそ、
溝の深まるスピードは従来とは比べものになりません。
相手を排除すると、今度は相手から排除されることになります。
でも、グローバリゼーションの流れは止められません。
いくら排除しようとしても、どんどん新しい風は吹く。
いくら壁を高くしても、壁はどんどん乗り越えられていきます。
これが、時代。
人は移動する生き物。
人は一人では生きられない。
人は愛し合う生き物。
だから、常に、違う文化同士は衝突して、そして最後に融合します。
私は小学生の頃、転校しましたが、
転校すると、自分が一人に対して、
相手は多数。
転校したばかりの時は、自分は弱者、みんなが強者。
幸いみんなが受け入れてくれたので良かったのですが、
もし排除されていたらどうだったかと思うとぞっとします。
グローバリゼーションでは、強者と弱者のコミュニケーションの連続です。
移民は最初は必ず弱者。
弱者が強者を排除していると、いつまでたっても閉鎖的なままです。
でもあたらしい情報や新しい考え方が入ってこない限り、成長は見込めません。
そして弱者と強者の立場は、その区別がある限りは必ずいつか、入れ替わります。
弱者を排除してきた強者は、自分が弱者になった時、受け入れてもらうための術を知りません。
だから、人間はみんな、お互いを排除せず、受け入れ、お互いを尊重していかなければならない。
変わらなければならないものと、変わってはいけないもの。
日本語などは変わってはいけないでしょう。
歴史が作り、守ってきたもの。
でも日本=日本人=日本語をしゃべる人という考え方は、変わっても良いものだと思います。
日本語を守るという気持ちさえ変わらなければ。
排他っていうのは、根本的には、自分だけがよければよいという考え方です。
グローバリゼーションが進めば進むほど、強者は自分の立場を守るために排他の考えを持つでしょう。
でも地球は一つです。
みんな地球の住民です。
小学校と同じ。
排他している限りは、地球に輝かしい未来はありません。