ナショナリズム - Nationalism-
ナショナリズムが高揚する時。
それは、嫉妬心が生まれた時だと思います。
ナショナリズムは今は、言葉からして国家。
しかし、日本は徳川統一幕府の前は群雄割拠。
中国も今の共産党政権の前は様々な王朝が変わり代わり支配する国。
オスマン・トルコだって、フランク王国だって、同様です。
今の国際法でいう国家の枠にかかわらず、
いろんな単位でのナショナリズムが歴史を作ってきたといえるでしょう。
そして、怖いのは、ナショナリズムは最終的には暴力とつながっていくということ。
嫉妬は、人間誰もが持つ感情。
だから、ナショナリズムが起きないようにするためには、
できるだけ全員平等にするか、
それともしっかりとしたピラミッド構造を作り上げるか、どちらかだと思います。
徳川政権は、親藩・譜代などの構造を作り、さらに参勤交代で中央政権の権威付けを明確にした。
アメリカの一極構造とか、中国との二極構造とか、世界的な秩序が議論になるのは、
グローバルレベルではピラミッド構造がないため、圧倒的な力がナショナリズムの高揚を抑えているからだと思います。
しかし、世界は不安定な時代に入りました。
アメリカは少なくとももはや一極ではありません。
今や、アメリカがクシャミをすると、世界中の国が風邪をひく時代ではなく、
中国が機嫌を損ねると、世界中の国が愚痴を言う時代になりました。
そして、かつて世界の秩序を維持し、資本主義の方向性を牽引してきたアメリカに、
ナショナリズムの象徴のような、トランプ大統領候補が支持を集めています。
すでに共和党候補者を選ぶ段階からナショナリズムを感じさせる暴動が起こっているのは
アメリカという超大国の地位が変わりつつあることと無縁ではないでしょう。
6月1日の朝日新聞朝刊の「折々の言葉」より
『日本は一位とか二位とかを争う野暮な国じゃなくていい。「別品」の国でありたいと思うのです』
これならば、嫉妬心は生まれません。
ナショナリズムも生まれません。
暴力も生まれません。
こうありたいと思います。