空腹 - want –
お金をたくさん持っている人程、お金では何も買えないことを知っています。
一流の人程、人を資産や身分などの物差しで判断しません。
現在・過去・未来。
投資の対象は、未来だと思います。
それならば、投資の対象で一番重視するのは可能性。
不確定な時代だからこそ、可能性への投資は重要となってきています。
資産や身分は一つの結果。資産や身分がある人は、ない人よりもできることの領域は広い。
本当にそうでしょうか?
確かに、資産や身分がある人は、お金で買えるものを手に入れることができますが、
お金で買えないものを手に入れることができるかどうかは、資産や身分がない人と立場は同等。
いやむしろ、守るべきものがあるために、より難しいのではないかと思います。
と、考えると、一番可能性があるのは、腹が減っている人だと思います。
空腹を満たすために、貪欲に取り組む。
胃袋が大きい人ほど、貪欲に取り組み続けるでしょう。
東芝、三菱自動車、シャープのような超一流企業が、一つの経営判断の間違いで危機に瀕する時代。
不確実・不連続の時代。
オイルも大豆も日本国債も、そして金さえも確実な投資の対象と言えない時代。
これからの投資対象は腹が減っている人だと思います。
腹が減っている人は可能性がある。
腹が減っている人が、いつか、腹が満たされる時、成長が止まります。
腹が減っている人は、どこにいるか?
新興国にいくらでもいます。
しかし、新興国の多くの人は、生存の欲求から腹が減っている人。
腹が満たされると別のことを考えるでしょう。
生存の欲求ではなく、自己実現の欲求のレベルで、腹が減っている人が一番可能性があります。
自己実現の欲求をもっている人は、先進国の二極化された構造の、富の側だと思います。
これだと、格差はますます広がっていく。
しかし、世界的に見て、莫大な数の、腹が減って、かつ自己実現の欲求を持っている層を抱えた国があります。
それは、日本。
日本人はそろそろ、腹が減りだしました。
私が社会人になった時、日本のサラリーマンは、デブと言われていました。
そりゃ、会社のお金で、いいものばかり食べていたら、腹は減りません。
しかし、今、周りにデブと呼ばれるサラリーマンの人はいるでしょうか?
ほとんどいません。
会社のお金でいいものばかり食べる?
とんでもありません。
そんなのは、お盆と正月だけ。
みんな、常に、腹が減って、必死になって仕事をしていると思います。
一億総活躍。
結構ではないかと思います。
ぜひ、デブになって満足しないような、腹が減り続けながら、
活躍する社会になってほしいと思います。