アキレスと亀 -Achilles and the Tortoise –
足の速いアキレスが、先を行っている亀にいつまでたっても追いつけない。
このアキレスと亀の話を教えてくれたのは小学生時代の先生。
その時、いやいや、追いつけないというよりも、あっという間に追い越すだろう、と思いました。
それから約30年。
このアリストテレスの話の奥の深さを感じています。
宮崎駿監督のジブリ映画「風立ちぬ」でも主人公がドイツに行った時にこのアキレスと亀の話を言及していました。
だから零戦が誕生した。
真似をしている人は、先を行っている人に決して追いつけないということは、スピードの事を言っているのではなく、意識のことを言っているのだと思います。
誰よりも最初に一歩を踏み出す人が持っている意識を、真似をしようとしている人は持っていない。
誰よりも最初に一歩を踏み出すためには、たくさんの壁を乗り越えなければなりません。
その壁を乗り越える方法を自分で考え、自分の力で乗り換えた人と、先に乗り越えた人の真似をした人とでは、
実力に大きな差があります。その差は、真似をしている限りはいつまでたっても追いつけないでしょう。
イノベーターになるためにはどうすればよいのか?
ビジネスの世界では、リチャード・ブランソン、スティーブ・ジョブズ、イーロン・マスクなど、
いくつものイノベーションを起こした人がいます。
イノベーターになるためには、イノベーターになると決めて、人の真似をしないということなのかと思います。
正しいことさえしていれば、マーケットがついてくるかどうかというのは時間の問題。
だから、イノベーターは最初は苦労して、最後に大きな成功を手にする。
では、正しいこととは何か?それは、人を幸せにすること。
しかし、1990年代と2000年代とでは、人を幸せにすることの定義が異なります。
今、イノベーターになるということは、新規ビジネスを生み出すという事ではないような気もします。
格差を是正するとか、地球環境を破壊しないことと持続的成長を両立させることとか、
そういうことでのイノベーションが今求められています。
アキレスになるか、亀になるか。
地球環境を破壊しないことについては、まさにアキレスに抜かれない強い意識をもった亀が必要です。