家族 - Family-
世界的に強固な経済ネットワークを持つユダヤや客家の人たち。
ユダヤにも客家にも共通しているのが迫害の歴史と家族の繋がりの重視。
経済活動を中心に考えた時、これは一つの企業の内部の話もそうですが、
必死となって働くメンバーがお互いに助け合ってひとつの目標に邁進する組織が一番強い。
そのことをみんなわかっているのに、それがなかなかできないからどの企業も苦労しています。
ユダヤや客家の場合、世界中に仲間がいますが、その仲間がお互いに助け合っています。
お互いを家族と思っている。
そして、ユダヤのために、客家のために、というひとつの共通した考え方を全員が持っています。
これほど強い組織はないでしょう。
ひるがえって日本。
かつて、日本企業の経営は家族的経営と言われました。
終身雇用が前提で、ずっとその会社で働き続ける。
会社は従業員の給与を保証するだけでなく、従業員の家族も大事にするし、
従業員の健康も大事にする。
そんな組織なので、従業員が家族のようにお互いを大事にする。
居酒屋で自分たちの会社のことをバカにされれば、自分がバカにされたわけでなくても、ケンカになります。
自分がいて会社があって、会社があって自分がいる。
会社に転勤を命じられれば、何処でも行く。
これが、日本の企業でした。
しかし、グローバリゼーションは日本企業を変えました。
今も変わらない企業も多いですが、大半の企業は、
「終身雇用は古い」とか「海外の優秀な人材を活用する」とか「イノベーションを起こす」とかいっています。
何のために?誰のために?
昔は、企業のために、従業員のために、家族のために、とそこだけは日本企業はブレなかったのですが、
昨今は、企業のために、と、従業員のために、と、家族のために、がそれぞれ一致しなくなっています。
じゃあ、そんな会社やめるか、他の会社に行くか、と従業員が思う。
そうすると、会社にとっては戦力ダウンです。
従業員も新しい環境で外物としてスタートしなければならない。
そうなると日本経済全体として戦力ダウンです。
日本人には、ユダヤや客家のような世界的なネットワークはありません。
でも、世界の何処にいっても、日本人は尊敬されている。
それは、日本人としてのアイデンティティをもって国際的に貢献したいと思っている人が
たくさんいるからです。
今も、どこかで、日本人が、日本人として、海外のどこかの国で、貧しい人たちと一緒に鍬や鋤を振っています。
日本人のグローバリゼーションは、それで十分ではないでしょうか?
アングロサクソンの人たちの考えた産業革命やグローバリゼーションに、
島国にっぽんが適用しなければならない義務はありません。
ユダヤや客家や、最近では韓国の人たちのように、
世界中に家族を増やさなければならない危機感を持つ必要も、まだ日本にはありません。
今、やらなければならないのは、日本の中身を、再び強くすること。
日本の中で、日本人同士がつながることだと思います。
日本人同士のつながりに共感する外国人もたくさんいます。
日本人としての考え方を無理に変えなくても、世界の多様な国々と力を合わせて、
地球を、地球に住む人々をよくしていくことはできます。
もういっかい、日本は、家族を取り戻さなきゃ。
と、思います。