TPP (written in Japanese)
2015年10月5日、TPP(環太平洋経済連携協定)が交渉参加12カ国の間で大筋合意しました。
日本にとっての大きな論点は以下の通りだと思われます。
① 金融、特に保険
② 自動車の関税
③ 医薬品の価格
④ 農林水産物の関税
特に農林水産物に関しては、海外で大量生産された安価な食料が入ってきて、国内産業が大きな打撃を被るのではないかと懸念されています。農林水産省は大筋合意からわずか4日後の10月9日には関係者への説明会を開催するなどの対応を行っていますが、今後も国内において大きなディスカッションが繰り広げられることになると思います。
日本の食料自給率はすでに40%を切っている一方で、オーストラリアやアメリカは100%を大きく超えています。農林水産物の国際的な競争力は日本よりもオーストラリアやアメリカの方が圧倒的に強いと言わざるを得ないと思います。
一方で、日本には、「食」を生きて行くために必要な資源としてではなく、心を豊かにする文化として考えてきた歴史があります。今回のTPP合意によって、資源としての「食」は厳しい競争にさらされることになりますが、文化としての「食」はむしろ環太平洋地域に対して発信するための機会が増えることになると思われます。
しばらくは行政も国内外での対応に追われると思いますが、多品種少量で、保存期間も短い、日本の「安全・安心・ヘルシー」な「食」が環太平洋地域のあらゆる国に、おいしいまま届けられるような、物流やマーケティングの仕組みが構築されると良いと思います。
2015-10-12 | Posted in Blog | No Comments »