<第196号> “Re”

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第196号>
“Re”
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

民主主義が成立するためには、
下院が上院よりも優位に立つことが必要です。

フランス革命で民主主義の基礎を築いたフランス、
今世界中で採用されている民主主義のモデルとなったイギリス
世界中に民主主義のイデオロギーを浸透させたアメリカ
いずれも、今も上院と下院が存在しています。

近代日本の民主主義は西洋から輸入しました。
もともとは岩倉使節団。
つまり、当初は薩長と華族によって形作られました。
そのため、西洋から輸入した政治制度は、
最初から民主主義だったわけではありません。
自由民権運動や政党政治など、中学生の教科書で学ぶほど、
下院の存在は重要。
日本の下院である衆議院の、参議院に対する優越権は、
日本国憲法にも定められています。

下院はイギリスでは庶民院、フランスでは国民議会と呼ばれています。
アメリカでは上院と下院がそのままの言葉で使われています。
ただ、アメリカは下院と上院は対等の関係。
アメリカという国が誕生した経緯が背景にあるのかと思います。

日本で歴史の勉強をしてきた私たちも、
下院が上院よりも優位にあることの必要性や重要さを
今、忘れつつあります。
自由を与えられることになれて、自由が当たり前になっています。

私たちは歴史が作ったシステムの中で動いています。
今のシステムは、西洋が作ったシステム。
時とともに、システムは少しずつ変化しています。
変化の流れの中にいると、
かつて誰もが求め、そしてようやく勝ち取った
重要なものの価値を見失ってしまうことすらあります。

安定的な経済活動は、政治が機能して初めて成立します。
資本主義が暴走し、社会主義と民主主義が対立し、
そして地球環境が破壊されている今、
世界中で求められているのはイデオロギー。

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、
若いリーダーがたくさん生まれています。
社会を正しい方向に軌道修正しようという、
若い力がたくさん生まれていることは、
希望以外のなにものでもありません。

この若い力、底無しのエネルギーを束ねるイデオロギー。

世界唯一の被爆国であり、
豊かな自然に恵まれ、
独自の文化を歴史の中で醸成し、
世界中から良識を輸入してきたニッポン。

この国から、世界中の若いエネルギーを束ねるイデオロギーが、
誕生してほしいと思います。

さて、本号の内容です。

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<第196号> “Re”

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リデュース、リユース、リサイクル

大量消費社会からの軌道修正のビジネスモデルでは、
様々な”Re”が一つのキーワードです。

リペア、リプロデュース、リノベーション

“Re”に循環だけはありません。
そこに人の力が加わることで、
新しいものに生まれ変わります。

大量消費社会は分業によって実現しました。
最初は、”Re”も分業の一つの工程でした。
つまり、作る、売る、買うの後の
一つのプロセス。

しかしすでに時代は変わっています。
メーカーは、その製造プロセスで
再生可能エネルギーの使用が求められ、
二酸化炭素排出量削減が求められ、
SDGsへの取り組みが求められています。

売る側には、プラスチックストローの廃止、
プラスチックバックの有料化など、
廃棄ロスの削減などが求められています。

買う側も、健康や環境への影響を配慮した製品を選び、
エコバッグだけでなく、
シリアルや飲料の分野では容器そのものを持参するようになっています。

つまり、”Re”は、一つのプロセスでも、一つのビジネスモデルでもなく、
今はすべての人にとっての責任に変わりつつあります。

この技術で世界をリードしてきたのは日本。
製造業の生産技術では、今も圧倒的に日本は”Re”で、世界をリードしています。
工場のエネルギマネジメントや廃棄物処理は、専門家達によって管理され、
不良品の発生率は常に底水準、
そして高品質な製品の耐久性は自動車や家電をはじめ世界中で認められています。

それとは真逆に、消費者の立場での日本は世界のワーストクラスです。
大量のプラスチックゴミを排出し、その一部が太平洋に流れています。
食品ロスは国内市場規模の半分を占めるほどとも言われています。
挙句の果てにはプロスチックゴミを東南アジアに輸出する始末。

マーケティングやブランディングよりも、
「よいモノを作る」ことを重視してきた日本の強みが、
ここでも弱みとして出ていると言えます。

逆に言えば、日本で消費者の意識を”Re”に変えることができれば、
そのビジネスモデルは世界中で通用します。
社会課題は常にビジネスのチャンスです。
超高齢社会と健康ビジネス
大量消費社会と”Re”ビジネス
日本という特殊な市場は、
グローバル競争力の高いビジネスモデルを誕生させるための
巨大な潜在性を秘めています。

本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。

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2023-06-11 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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