<第175号> 飯
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第175号>
飯
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
戦前の日本経済は財閥によって形が作られました。
財閥が興ったのは当時の経済が激動だったからです。
では、激動とは何?
それを説明する軸はたくさんあると思います。
まずはやはり日清戦争、日露戦争、そして韓国併合。
戦争を伝える上で新聞が大きな役割を果たします。
大量の紙面が必要になり、印刷技術が発展します。
印刷技術は化学の歴史。印刷は新聞だけでなく国産紙幣の発行にも不可欠です。
ソーダをはじめ様々な化学工業が誕生しました。
そしてエネルギー。まずは電灯でした。当時はバイオ燃料。
その後電力という考え方が生まれ、直流vs交流の議論があり、
そして配電というインフラが構築されます。
そのインフラが構築される上で欠かせないのが鉱業。
当時の鉱山を由来とした鉱業は、今も三井、住友、古河といった財閥を、
その名前に冠しています。
配電網を構築する上で不可欠な電線会社の名前にも、財閥の名残が今も残っています。
様々な統廃合を経て今の電力会社を中心とする構造になり、
エネルギーは今も政治と経済の核であり続けています。
鉄道網の構築は輸送の概念そのものを変革させました。
鉄道会社は輸送だけでなく、ホテル含め様々な生活インフラを整備します。
球団を運営してプロ野球という巨大なスポーツ産業も誕生させました。
そして輸出。鎖国をしていた日本にペリーが来航し、
不平等条約と呼ばれる日米通商友好条約を締結したのが1858年。
1911年に関税自主権を回復するまでの岩倉使節団、そして小村外交の活躍は
誰もが知るところですが、ではどこから日本の輸出産業が興ったのか?
富岡製糸場の生糸、そしてその生産を支えた女工。
世界を渡り歩いて日本の競争力を育てた渋沢栄一や森村市左衛門なども凄かったですが、
競争力の源泉は日本人、とくに女性の手先の器用さにありました。
財閥が力を身につけたのは政治との結びつき。
日本の産業が競争力を身につけたのは日本人の勤勉さと手先の器用さ。
そして当時のハングリー精神。
戦後の財閥解体は財閥と政治との結びつきを解こうとしました。
この外国による取り組みは今も進んでいます。
高度成長期に株式会社日本といわれた通産省主導の経済運営は
外為法改正によりますます困難になっています。
財閥系の企業がどんどん海外の金融資本に買収されつつあります。
唯一残されたエネルギーや、未着手のヘルスケア産業等で、
政治による経済主導を頑張ってもらいたいところです。
日本人の勤勉さは、バブル崩壊後も続きました。
日本型終身雇用が、見えない圧力で勤勉な人材を育ててきましたが、
働き方改革でとうとうその勤勉さにも陰りが見えてきました。
ジョブ型雇用やリカレント教育といったカタカナが、
精神面よりもスキル面を尊重することで、
日本人が兼ねてより大事にしてきたことを形骸化しつつあります。
日本人の器用さ、とくに継承されている職人技術や女性のきめ細やかさは今も世界中の羨望の的です。
日本の自動車産業が、性能だけでなくデザインでも世界で受け入れられたのは、
色とデザインに関わってきた女性のおかげです。
男女平等という大きな流れの中で、男性の職人技術と女性のセンスという
本来の競争力の源泉をどのように再構築していくべきか?
すべての答えは、官僚と民間の交流にあると思います。
周りの批判なんか関係なく、再びしゃぶしゃぶを食べれるようになるといいな、と思います。
さて、本号の内容です。
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<第175号> 飯
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「同じ釜の飯を食う」
といいます。
実際、同じ釜の飯を食った仲間は利害を超えた仲間です。
営業にとって重要なのはクライアントと食事に行くこと。
食事をした回数が多ければ多いほど、お互いの信頼は高まります。
何度も一緒に食事をしたクライアントを、
簡単に裏切ることができる営業はほとんどいないでしょう。
だから食事はすることは営業だけでなくクライアントにとってもメリット。
まして、海外との顧客との取引の場合、
食事の重要性はさらに高いです。
ただでさえ、文化も習慣も違うからお互いを理解することは難しく、
さらに言葉も違うので思い通りのことを伝えられません。
たとえ2時間でも、仕事から離れて、お互いのことを理解しあう時間はとても貴重です。
こんなことは、誰もが思っていること、誰もがやっていること。
今の40代以上の人は、そう思うと思います。
しかしこれが20代、30代となると、
そもそも会社の人と食事にいきたくない、仕事とプライベートは切り離したい。
という人が増えています。
取引先と食事に行くならば、残業代を請求する、という発想も、
最初は驚きましては、もはや新鮮ではなくなっている程です。
かつては「そういった考え方はもったいない」という説明をしようと思いましたが、
時代は個人の考え方を尊重する時代になっているので、
もはやどちらの考え方が正しいのか、全くわからなくなっています。
むしろ、正しい考え方などないので、一方的に考え方を押し付けるという行為が
間違っているということだけが、正しい答えと言えます。
では、どうすべきか?
その答えは、昔も今も同じで、定番の美味しい飲食店を知っておくことだと思います。
海外から日本に来れば、寿司が好きな人ならば、本場のうまい鮨を食べたいとおもうでしょう。
すきやきや天ぷらは、日本と同じものは海外ではなかなか食べられないでしょう。
そして、美味い飯が嫌いな人は、世の中には存在しないと思います。
仲間が喜べば、自分が楽しい。
自分が楽しければ、仲間も喜ぶ。
日本でも海外でも、できるだけ飲食店に足を運んで、
美味しいお店、仲間と一緒に来たい店、
プライベートと仕事を分けたい若手でも、
残業代なしで、来て良かったと思えるような店を、
見つけることが、コミュニケーションの基本であり、
すべての商売の基本だと思います。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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