<第135号> クレーム
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第135号>
クレーム
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
第二次長州征伐時の薩長同盟。
西郷隆盛は坂本龍馬の亀山社中を通じて長州藩に
イギリス商人グラバーが仕入れたミニエー銃を流します。
幕府は長州藩に敗れ、日本の歴史は大きく動きます。
西郷隆盛による江戸城の開城。
内閣は薩長で固められます。
明治維新後、海外を見た井上馨、岩倉具視、伊藤博文、木戸孝允、大久保利通。
留守を守った西郷隆盛。
日本の歴史は再びここで大きく動きます。
日清戦争、三国干渉、日露戦争、世界大戦。
幕末、そして明治維新、そして大正から昭和にかけての
150年に満たない間、欧米の力が日本を動かしてきました。
一方で、日英同盟によってロシアの海路を封じ込めた日本は、
日露戦争に勝利します。
日本の日露戦争への勝利は、中東諸国の黄色人種に
同じ黄色人種として、大きな勇気を与えます。
第二次世界大戦時、大日本帝国による帝国主義は
東南アジア各国を侵略したとも、アジア各国を欧米植民地から解放したとも言われます。
イギリスと組んだ薩長、
フランスと組んだ幕府、
朝鮮半島にしてもシリアにしても、
歴史の転換点に空白が生まれ、空白に入り込むパワーが分断を生み、
分断の解消が新たな歴史を誕生させます。
組織も同じだと思います。
パワーとパワーが分断を生み、
分断が解消されると新たな歴史が始まる。
日本の市場が十分に大きい時は、こういう新陳代謝は起きませんでした。
今まさに、これが起ころうとしています。
マルコポーロが見た黄金の国ジパング。
日本の歴史に残る多くのユダヤ人の来日。
松下村塾で学んだ若い門下生達が、幕末活躍し、維新を成し遂げます。
安政の大獄、池田屋事件、寺田屋事件。
鳥羽・伏見の戦い、戊辰戦争、函館戦争、西南戦争。
歴史の転換点には、歴史上に出てこない人たちの活躍もあります。
いずれにしても今の若い世代は全員がその当事者です。
大学生の息子と娘を持つ父親としても、
志士たちが活躍できる環境を、作り、維持する責任もあると思います。
さて本号の内容です。
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<第135号> クレーム
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ビジネスモデルがアジャイルになっています。
未完成のものを市場に出し、市場のフィードバックを迅速に反映する。
欧米ではすでに当たり前になっていますが、
日本ではまだ今は転換期です。
特にITツールの取り扱いに関しては、日本市場は個人差が大きく、
いまだに部長といった役職者でもITツールを使いこなせない人もいます。
欧米ではもちろんそういった人は皆無です。
またアジャイルでなく、仕組みの中で動いている組織では、
多くの場合、部長と言った役職は外から仕事を持ってくるわけでも、
自ら新しい仕事を作り出すわけでもなく、決裁者という独特の役割を役割を持っています。
そのため、新しい考え方を否定する人が仮に決裁者として存在している場合、
革新的なサービスをアジャイルで提供されたものに対して、
「クレーム」という返事が返ってくることがあります。
欧米やアジア各国では歓迎されるものが、
日本では否定されてしまうという、非常に日本独特の反応が、
バブル期に世界市場を席巻していた日本企業の多くで根付いています。
日本市場で仕事をする以上、このことは受け入れないといけませんし、
転換期に起こる自然な反応と思いますが、
気をつけなければならないのは、サプライヤーが海外企業の場合です。
海外のアプライヤーがアジャイルで製品を提供する場合、
迅速なフィードバックを期待しています。
そういった状況で、日本独特の決裁というルートに乗せてしまうと、
誰がフィードバックをしているのか、いつフィードバックが返ってくるか分からず、
ようやくフィードバックが返ってきたと思ったら、
フィードバックではなくクレームで、そのクレームの内容が、
「思っていたものと違う」といった、意味不明なものであるということが起こります。
実際には使い方も手取り足取り教えてもらわないと分からないので、
まともな評価すらしていないというケースも多いです。
笑い話のような話ですが、すでに本当に笑い話になっています。
なぜ笑い話かというと、日本型組織のバックグラウンドを海外企業は知らないため、
何かが「足りていない」と勘違いしてしまうからです。
その際に、笑い話にしたままでは、物事は解決せず、ビジネスはそこで終わります。
海外のサプライヤーと日本のユーザーの両方を歩み寄らせることが重要です。
海外のサプライヤー側はロジカルな説明さえすれば対応は迅速です。
こうすればユーザーは動くという指示を的確に行えばOKです。
問題は、ユーザー対応。
ユーザーから返ってきたのがクレームだったからといって、
決して謝ってはいけません。
間違っているのは、アジャイルを理解していない側であって、
ITツールを使いこなせない側です。
そしてユーザー側でも担当者は基本的にそのことを理解しています。
部長といった肩書きをもっている人が理解していないことがほとんどで、
担当者が部長などからクレームしろと言われ、
なんとなく納得させられてクレームをしているのが実際のところです。
この場合は、その部長といった方々に現場に来ていただき、
直接説明する必要があります。
大企業で部長といった役職につく方なので、人格者です。
最初は喧嘩になったとしても、必ず理解してもらうことができます。
それができれば、日本型組織ほど素晴らしいユーザーはありません。
組織が一気に協力的になり、フィードバックの精度は恐ろしく高く、
そして早くなり、サプライヤーにとっても付き合って得しかないユーザーに
180度変わります。
今の時代、ミニエー銃を長州藩に提供した亀山社中のような存在が、
まさに求められています。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願い申し上げます。
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