<第102号> ESGその2
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第102号>
ESGその2
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
言葉には主語があります。
電子メールでのコミュニケーションが増え、
海外の方の名前で相手が男性か女性か、
わからないことがよくあります。
男性ですか、女性ですか?と聞きにくいこともあります。
体は男性で、心が女性の方もいます。
男性と女性を区別する、
かつての伝統的な定義の仕方も変わっています。
英語では、単数形でもtheyを使うシーンが増えています。
男性か、女性かという考え方ではもちろんなく、
どちらでもないという選択肢を含める方法でもなく、
すべての人を包み込む、誰も除外しないという意味を込めて、
theyが使われるようになっています。
フランス語では、
男性の複数形と男性と女性両方いる場合の複数形は同じIlsです。
他にも様々な表現で、両方の場合は、男性の表現に統一されています。
近年、écriture inclusiveという大きな変化があり、
Français-e-s divisé-e-sといった形で、語末を男性・女性両方含んだり、
すべてを意味するTousについて、
男性のみの場合は、à tous、女性のみ場合はà toutes、
男性と女性両方の場合はà tousとなるところ、
à tous et à toutes
という表現が使われるようになっています。
言葉は長い間引き継がれてきた伝統の上に成り立っています。
文法はその伝統を守る大事な原則です。
そこに大きな変化が生じるほど、
Inclusionの重要性は高まっています。
誰も排除しない。
人間が一人では生きられない生き物である以上、
最も重要な大原則であることを、
改めて感じます。
さて、本号の内容です。
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<第102号> ESGその2
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男女平等は19世紀からの取り組みです。
諸外国では20世紀前半には、女性にも平等な参政権が与えられていました。
日本で女性への参政権が認められたのは1945年。
欧米諸国とくらべてかなり遅いです。
そして、2021年の今、国会議員、大学教授、企業の役員など、
未だ日本における女性の比率は、
諸外国と比べて非常に低い水準となっています。
20世紀と21世紀では社会構造が違います。
女性の管理職比率が低いことは、
国際競争力の低下に直結しています。
かつての日本の教育は、通知表でオール5を目指す教育でした。
男の子も女の子もみんなでオール5を目指しましょうと。
そして社会に出ると、女性にはグラス・シーリングが存在していて、
いくら優秀でも、いくら頑張っても、見えない天井が
活躍を拒んできました。
オール5を目指す教育も、グラス・シーリングも、
成長を阻害することは、誰が考えても明らかです。
5よりも10、10よりも100の方が値が大きいことは算数の問題です。
オール5の能力を持つ人よりも、
オール1でも、物差しでは測れない、何か一つ100がある能力の方が
他の人にはできないことを実現できる可能性が高いといえます。
オール5の人が100人集まってもオール5にしかなりませんが、
何か一つ100がある能力の人が100人集まると、
世の中を変えるほどの画期的なことが実現できるかも知れません。
優秀な人が最も嫌うのは、限界を設定されること。
グラス・シーリングにしても、通知表にしても、
活躍の機会に蓋をするものであることは明らかです。
そのため、これまでのように、
- 男女不平等は悪いことだ
という考え方ではなく - 男女平等含め、多様性の尊重、公平な機会は成長・存続のために不可欠だ
という考え方に大きく変わっています。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンという言葉で表現される
このすべての人を受け入れ、ともに高めあい、成長するという考え方は、
金融市場が企業を評価する上でも、
優秀な人材が一緒に働く企業を選ぶ上でも、
重要な視点となっています。
その一方で、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンは、
企業風土そのものなので、
企業幹部が社員に「やるぞ」といって実現できるものではありません。
社員一人ひとりが、その意味、その重要性を理解し、
実践していく必要があり、社員それぞれが、
みずから多様な人材の一人であるということを自覚してもらい、
個性を発揮してもらい、
その個性を潰さないような企業風土を醸成していかなければなりません。
そのため一朝一夕に実現できるものではありません。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンも
ESG経営の実現において、大きなトピックとなっています。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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