<第92号> 自動車部品

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第92号>
自動車部品
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

新車でも中古車でも車は大きな買い物です。
毎日のように乗っている人も少なくありません。
そのため世界中の自動車オーナーは、自分の車を愛しています。

そして日本車は新車でも中古車でも世界中で走っています。

フローとして新車販売台数は毎年統計が発表されていますが、
ストックとして、現時点で車に乗っている人の数は正確には分かりません。
現時点で車に乗っている人が、どの車に乗っているかを調査したら
日本車のシェアは最も高いのではないかと思います。

新興国で走っている中古車は、自家用車でもタクシーでもバスでも、
日本車が多いと感じます。
日本車は故障しにくく、長く乗ることができると評判が高いですし、
日本車の交換用自動車部品はアフター品含めて、
世界中で流通しています。

単純な新車販売台数だけでなく、
愛されている車のブランドという統計をとったら、
日本車は圧倒的にNo.1なんじゃないかと思います。

それを支えているのが、一つひとつの自動車部品です。
ネジ一本に不良があっても、自動車の不良につながり
命を危険にさらす可能性があります。

自動車メーカーが自動車部品メーカーから部品の供給を受け
安定的に高品質な車を世界中で生産し、
そうやって生産された自動車が、
世界中で愛されています。

このことはすごいことだと思います。

さて、本号の内容です。

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<第92号> 自動車部品

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系列で構成されている自動車部品メーカーが
「グローバル市場開拓」を行うということは稀と言えます。

Tier1企業ならば、トヨタにも、VWにも、GMにも
世界中の自動車メーカーに対して
スペックインのための活動を行なっていると思いますが、
Tier2、Tier3の企業が、例えばTier1のボッシュやジョンソンコントロールに
売り込みに行けるかと言うと、決して簡単ではないと思います。

自動車部品メーカーのグローバル市場展開は、
現地市場を開拓するというよりも、
自動車部品メーカーの海外生産に合わせて、
部品を供給するために現地拠点を立ち上げるという形が中心だと思います。

自動車部品の製造のためには量産体制が必要です。
設備投資を行い、生産技術を確立し、検査体制も構築し、
トレーサビリティなどソフト面も整え、
5S、カイゼン、ヒヤリハットなど、教育も必要です。

そうやって現地工場を立ち上げた後、
当初の目的以外に、現地で新規顧客を開拓することは、
並大抵の努力ではできません。

安定的に、継続的に、定められた数量を生産することが求められる自動車部品の場合、
工場の立ち上げの時だけでなく、新たな製品を生産する都度、大規模な投資が必要になります。
いかにグローバル展開のノウハウをもっていても、
現地市場開拓のためには、
日本の自動車メーカーの現地拠点に供給するのとはまた違ったノウハウが必要です。

しかしながら、そういったことを現実に行っている
自動車部品メーカーも存在しています。

韓国や中国の現地資本の自動車メーカーが
日本企業の現地拠点のの自動車部品を購入しているという例もありますし、
もしかしたら、欧米でも同様の事例があるのではないかと思います。

自動車業界の構造は大きく変わりつつあります。
垂直構造から水平構造へのシフト、モジュール化といったことが
言われるようになってもう10年以上経ちますし、
電気自動車や自動運転に投資が集中している現状、
今のビジネスがいかに安定的に伸びていても、
今後もずっと継続できるという保証はないと言えるでしょう。

自動車部品メーカーにとって、
グローバルに展開した拠点の設備力、技術力
現地経営のノウハウ、現地で育てた人材
など、これまで培ってきたものを
新たな成長のためにどのように活かしていくか
ということを考えるタイミングに来ていると思います。

本号の内容は以上です。
来週も何卒よろしくお願い申し上げます。

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2021-03-14 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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