<第76号>WEBサイトの多言語化
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第76号>
WEBサイトの多言語化
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
コンサルティング会社でお世話になっている時、
野菜や魚介類の食品の輸出のプロジェクトにそれぞれ携わらせていただきました。
どちらのプロジェクトにも共通していたのが、
絶対にやり切るという当事者の方々の熱い情熱。
実は私が一緒に取り組ませていただいた時、
全く成果が出ませんでした。
他のグローバル市場開拓のプロジェクトと違う、
2つの大きな壁がありました。
一つは物流。生鮮食品を輸出するためには空輸が不可欠です。
一方で生産食品は単価が低く、かつ消費期限内に販売できなければ廃棄せざるを得ません。
もう一つはマーケティング。富裕層や特定のホテル・レストランだけをターゲットとしていても、
ビジネスは大きくなりません。
一般消費者に認知してもらうためには、試食が必要ですし、文化の壁もあります。
工業用品や加工商品と比べて生鮮食品は認知してもらうことが難しい。
これらのプロジェクトで感じた無力感が、
5年間IT企業で勉強させていただくことのきっかけとなりました。
ITの力を借りれば、廃棄ロスなく、消費期限内に、迅速に生産食品を、
空輸で届けられるのではないかと思いました。
さて、5年後の今。
再び、私はグローバル・ビジネスに戻ってきましたが、
5年前の力不足から知識量は増えたものの、まだ何も生み出していません。
一方で、関東のプロジェクトも、関西のプロジェクトも、
私がプロジェクトから外れた後、当事者の方々が、
様々なステークホルダーを巻き込んで、試行錯誤を繰り返し、
今は成果を上げています。
それぞれ共感する仲間が国内外で増え、
2つのハードルを仲間の協力で乗り切ろうとしています。
成果を出すまで、やめないこと。
これが、成果を出すための唯一の条件だと思います。
そのための情熱を維持し、関わる人を信じ切ることが重要です。
私もやめたわけではありません。
5年間の空白を取り返すための時間は、まだまだたくさんあります。
そして、ITを活用するという役割は、まさにこれからと思っています。
さて今号の内容です。
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<第76号> WEBサイトの多言語化
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データは資産であるため、眠らせるのではなく、有効に活用することが重要です。
WEBサイトを日本語だけで表示すれば、
日本語を理解する人しか見ません。
中国語版も制作すれば、中国の人が見るかも知れません。
スペイン語版も制作すれば、スペインと中南米の人が見るかも知れません。
英語版も制作すれば、世界中の人が見るかも知れません。
このように、WEBサイトを多言語することで、ターゲットは広がります。
では、今あるWEBサイトで日本語で書かれているコンテンツを、
中国語、スペイン語、英語に単純に翻訳すれば、
WEBサイトが多言語化できるかというと、そんな単純な話ではありません。
WEBサイトの多言語にはI18NとL10Nが必要です。
I18NはInternationalizationを意味します。
最初のIと、最後のN、そして18文字あることからこのように表記されます。
L10NはLocalizationを意味します。
同様に、最初のLと最後のN、そして10文字あることからこのように表記されます。
I18NもL10Nもソフトウェア開発に際して使われる用語です。
I18Nは「特定の言語、地域、文化に依存しない形に製品を汎用化すること」を指します。
L10Nは「特定の言語、地域、文化に合う形に製品を特殊化すること」を指します。
日本語のみで使用される前提で開発されたソフトウェアと、
最初から多言語化を前提として開発されたソフトウェアでは、
設計が全く異なります。
例えば、アラビア語は右から左に向けて読みますが、
そうするとスマートフォン上の画面も左から右に出てくるのではなく、
右から左に出てくる必要があります。
その他、ソフトウェアを多言語化するためには、
実装段階で最低限対応すべき内容がいくつかあります。
そういったことを対応しておくことがI18Nです。
Unicodeの使用、ソースコードとテキストとの分離、
時間や数字の取り扱いなどは、I18Nの基本中の基本となります。
そして、I18Nで実装されたソフトウェアから、
対象となるコンテンツを抽出し、翻訳し、統合するプロセスが
L10Nです。
L10Nでは翻訳に限らず、文化的要素にも対応する必要があります。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。
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