<第64号> E-ラーニング3
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第64号>
E-ラーニング3
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
私が社会人になった時、入社後1年くらいは、
学生気分から脱して社会人としての自覚を持つための期間でした。
同期は全員、同じ寮にとまります。
その寮には8年くらいまで上の先輩も住んでいて、
入社後配属決定までの間、文字通りしごかれます。
そこで挨拶や掃除の重要性を見にもって身につけ、
酒を飲んで語り合うことの大切さを痛感します。
会社に行っても仕事は数ヶ月なく、集合研修なので、
ほぼ昼間は寝ています。
今思い返せば、その研修では、語学とか、
プレゼンとか、本当に素晴らしい工夫が凝らされていました。
ほぼ寝ていて、しかも100%受け身でやる気は一切なかったにも
かかわらず、たまに起きていて、そこで「なるほど」と
思ったことが、今も覚えていて、役に立っています。
今思い起こしても、最高に楽しい時代でしたが、
確実に、甘えていたと言えます。
その甘えで失った学びの機会は、もう取り戻せないでしょう。
さて、今の新入社員は、1999年当時とは違います。
入社後は、即戦力として期待されます。
10年選手のエースよりもプラグラミングがうまい新人が入社したり、
AI人材については新卒でも年収一千万円を超えたりします。
かつては英語を自在に喋る新入社員は少数派でしたが、
今は3カ国語を自在に操る新入社員も少なくありません。
右も左も知らないのに社会に放り出されたという感覚どころか、
社会に出た瞬間に、すでに社会に出て給料もらっている先輩に
頼られ、教えてもらう側ではなく、教える側に回ることも珍しくありません。
社会に出てから、何かを教えてもらう前に、
質問ばかり受ける毎日。
当然、教えるのではなく、教えられる側に回っている先輩を
若手が尊敬することはなくなっていくでしょう。
かつての社会では、素晴らしい能力を発揮していた先輩であっても、
時代の流れについていくことができないと、そうなってしまいます。
良くも悪くも、今の社会は、どんどん分業が進み、
専門特化し、経験者が誰も答えを持っていないので、
そうならざるを得ません。
若手であろうと、ベテランであろうと、
「何を学ぶか」まで、自分で考えて、学ばないといけなくなっています。
そして、学ぶための材料も溢れています。
MOOC(Massive Open Online Course)で各大学が魅力的な
授業を配信していますし、授業料を払うと修了証を受領できます。
TEDなど、著名人が自らのストーリーをプレゼンしてくれています。
自分自身と向き合ううえでも、スキルを身に着ける上でも、
インターネットで学ぶ時間と、学ぶための投資は、
不可欠になっています。
オンサイトでも、様々な講座やセミナーが、WEBのコンテンツに負けないように、
これまで以上に工夫が凝らされて開催されています。
学ぼうというモチベーションがある限りは、
学ぶための機会は以前よりもはるかに整っています。
社会の仕組みが変わっても、
自ら学ぶ気持ちを持っている人は、どんどん様々な知識を吸収して
成長していくという事実は、変わらないと思います。
さて、本日の内容です。
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<第64号>
E-ラーニング3
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SCORM(Sharable Content Object Reference Model)に適合することによって、
E-Learningコンテンツは国内外問わず、
様々なLMSで配信できるようになっています。
LMSを通じてコンテンツを配信できるようにすることを
オーサリングと言いますが、
このオーサリングツールについても様々なものがリリースされています。
Adobe社のようなトップ企業もオーサリングツールを出していますし、
GitHub上には、オープンソースのオーサリングツールも
多数出ています。
そのため、コンテンツのオーサリングの方法は様々です。
そして、オーサリングの方法が様々であるのと同様に、オーサリングをする当事者も様々です。
LMSベンダーがコンテンツをオーサリングする場合もあれば、
E-ラーニングのコンテンツ制作をオーサリングまで請け負っている企業もありますし、
ユーザーサイドでオーサリングをする場合もあります。
E-ラーニングコンテンツの場合、ラーニングの内容だけでなく、
対面の教育の場とは違った、
モチベーションを上げるための工夫やビジュアル性も求められます。
さて、LMSは、
1)ユーザー側に様々なコンテンツへのこだわりがある
2)コンテンツ制作には様々な技術が必要
3)コンテンツ制作側は、設計、デザイン、ビジュアル含め、各社様々な強みがある。
4)コンテンツ制作のためのオーサリングツールは無数に存在している。
5)配信スタンドとしてのLMSも無数に存在している。
6)コンテンツの規格はほぼすべてSCORMに準拠している。
7)SCORMに適合したコンテンツは、海外LMSでも配信できる。
という状況になっています。
E-ラーニングをこれから始めよう、という場合に、
まずSCORMに適合できれていれば安心だろうと、
開始することを目的として場当たり的に取り組みを始めると、
将来的にコンテンツ制作を外部に委託したり、
コンテンツ制作業者を変更する際に、
オーサリングツールの変更による縛りを受けてしまうことがあります。
長期的、連続的に、コンテンツを配信していこうと思っていたのに、
少し仕組みを充実させようと思うと、すべてを最初からやり直さないとならないことも、
起こり得ます。
例えば、多くのLMSは、言語を切り替えることができるようになっていますが、
LMS側が多言語対応していても、コンテンツ側が、オーサリングで対応してないと、
せっかくコンテンツを多言語で用意しても、多言語配信することができません。
LMS側の多言語適合の仕様に合わせて、
コンテンツ側のオーサリングの仕様を定めたとしても、
そのコンテンツが、他のLMSでも多言語配信できるかどうかは定かではありません。
このようにSCORMによって、グローバルで規格が定められたことにより、
グローバルで配信しやすくなっているとは言え、
最初の段階で、誰に、何を、どうやって配信するか、
をきちんと設計しておこないと、将来なにかしらの壁にあたることになります。
LMSコンテンツの配信は、マーケティングコンテンツの配信と、
考え方が非常に似ていると言えます。
本号の内容は以上です。
来週も何卒よろしくお願い申し上げます。
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