<第54号> コネクティッド 3
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第54号>
コネクティッド 3
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。
2020年6月5日トヨタ自動車は、
中国第一汽車、東風汽車、広州汽車、北京汽車、北京億華通科技と
合弁会社を設立し、
中国におけるクリーンなモビリティ社会に貢献する
商用車用の燃料電池システムの開発に取り組むことを発表しました
この内容から、様々なことが推測できます。
自動車販売台数が世界最大で大気汚染が深刻な中国では、
FCVの普及は自動車産業だけでなく社会インフラとしても求めら
ガソリン車から次世代の自動車に変革することに対する
社会的要請は欧米日韓よりも強く、
そして発展途上だからこそ進めやすいという観点もあります。
そのため、まず、この合弁には、
企業の利益以上の価値が存在していることを感じます。
従来、外資が中国の自動車市場に参入するためには独資は認められ
中国資本との合弁、それも中国資本側が過半数が条件となっていま
合弁する相手にも制限があり、
トヨタは第一汽車と広州汽車、日産は東風汽車、
ホンダは東風汽車と広州汽車などと合弁を設立し、
中国市場に取り組んできました。
2018年にBMWが過半数となる7割を出資するなど、
中国資本メーカーが独自の技術と経営手法を成長させるにつれて制
テスラについては独資で中国市場に参入しています。
当然、新技術で生産するならば、
独資の方がノウハウの流出が避けられるので望ましいです。
そして、トヨタならば独資でFCVで中国市場に参入することも認
しかし、今回、そうはしていません。
今回の合弁はトヨタ自動車がFCVで「中国市場に参入する」とい
研究から車載まで一気通貫で開発を行ううえでの
「パートナーシップを中国資本の企業と構築する」という意味合い
すなわち、トヨタ自動車が見ているのは、中国の「市場」というよ
むしろ「技術」と推察することができます。
そして、乗用車ではなく商用車が対象となっていることです。
商用車と乗用車では技術もカテゴリも異なりますが、
当然、商用車の方が単価は高く、販売台数も少ないことになります
中国市場においても、インド市場においても、
商用車は現地資本メーカーが高いシェアを占めています。
中国におけるFCVの普及のために、
インフラ面で何かしらのシナリオが存在しているということを感じ
トヨタ自動車のFCV技術が世界一といっても、
日本でのFCVの普及のためにトヨタ自動車が単独でできることは
その点、中国だからこそできる、ということもあると思います。
合弁会社が開発した技術は、
合弁に参画した企業に帰属することになり、
その技術はトヨタ自動車を通じてやがて
日本市場にも大きな変革をもたらすことになると思います。
その時に、中国市場と大きな差がついていないようにしなければな
日本の自動車部品メーカーは間違いなく世界一です。
Tier1だけでなく、Tier2、Tier3含めた
安定的なピラミッド構造で高品質を確保できる
サプライチェーンは絶対的な強みです。
その一方で、中国のTier1の成長も著しいものがあります。
技術革新が起こった時に、
日本のTier2、Tier3が、今の強みを維持できるように、
中国のFCV導入の動きは、注視しておく必要があると思います。
さて今号の内容です。
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<第54号>
コネクテッド 3
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コネクテッドは空間を前提としているため、
まずは社会インフラの構築が重要となってきます。
コネクテッドを前提とした様々な新しいテクノロジーが開発され、
そして様々な新しいサービスが提供されていますが、
それがどのような形で実現するか、
インフラに依存する部分が大きいと思われます。
特に情報通信インフラやエネルギーインフラは重要な要素になると
この点、日本の進めるローカル5G、そしてBeyond5Gの政
日本そしてアジアに対して、コネクテッドな
インフラを提供する上で期待できる内容となっています。
5Gは
最高伝送速度 10Gbpsという超高速、
1ミリ秒程度の遅延という超低遅延、
100万台/km2の接続機器数という多数同時接続という、
従来の4G/LTE技術を大きく超える通信環境です。
2023年度末の5G基盤展開率は98.0%となり、
日本全国の事業可能性のあるエリアほぼ全てに
5G基盤が展開される予定になっています。
さらに、
地域や産業の個別のニーズに応じて地域の企業や自治体等の様々な
自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5Gシステ
ローカル5Gが制度化され、通信業者だけでなく
大学、自治体、製造業など様々な主体が免許申請を行い、
事業化を行う予定となっています。
ローカル5Gを基盤とした社会インフラは、
農業、防災、地場産業、モビリティなどの事業を通じて、
様々な課題を解決することが期待されています。
点と点ではなく、空間としてあらゆるヒト、
モノがつながるようになった今、
コネクテッドが提供する新しい価値は、
私たちにこれまで以上に高い利便性を提供してくれるのと同時に、
今私たちが行っている行動に対する責任も
瞬時に明確にしてくれることになると思われます。
自分が廃棄するプラスチックゴミが、
生態系にどのような影響を及ぼすことになるか?
そしてその影響が、結果的に自分自身の健康にどのように関わって
消費するエネルギーが二酸化炭素排出量をどれくらい増やすことに
そしてその影響が結果的に地球環境をどれくらい破壊することにつ
私たち一人ひとりが地球という大きな空間で
責任を持って行動する主体であり、
一人の活動が全体に影響を与えるという、
すでに分かっていたがこれまで直視してこなかった重要な事実を、
コネクテッドは私たちに教えてくれることになります。
そしてそのための社会インフラは、
ローカル5Gを通じて、もう間もなく、
実現する段階になっています。
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