<第40号> ローカリゼーション その2

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第40号>
ローカリゼーション その2
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の牧野好和です。

日本のアニメが海外で人気です。

ワンピースのような現在でも大人気連載中の漫画だけでなく、
何年も前に連載が終了している漫画も、
アニメ化されて、現地語に翻訳されて、
今も海外で根強い人気を誇っています。

現地語化される際に、現地市場に合わせた微妙なアレンジもあります。

例えば、ジョジョの奇妙な冒険の主人公はJOJOですが、
イタリアではJOJOはジョジョにならないので、
GIOGIOになります。

インドでは巨人の星がローカライズされて、
タイトルは「スーラジ ザ・ライジングスター」に、
星飛雄馬は「スーラジ」に、
競技は野球ではなく、クリケットになって、
生まれ変わりました。

アニメの人気は様々な日本製品の人気にもつながります。

例えば、ドラえもんが人気の国ではどら焼きの消費が増えるといった効果があります。

それ以外にも、日本のアニメには様々な日本ブランドが登場しているので、
アニメのローカリゼーションは、
日本製品の現地展開にとって有利に働くことが多いです。

そして、ローカリゼーションに成功し、いったん現地に受け入れられると、
そこからの成長は現地流になります。

その点も、ローカリゼーションの奥の深さであると思います。

さて、今号の内容です。

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<第40号>
ローカリゼーション その2
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グーグルなどの機械翻訳の技術が向上しています。

グーグルには、WEBサイトをそのまま翻訳する機能もあるので、
最近のWEBサイトを見ていると、
その機能を用いて、ボタン一つで簡単に多言語できるWEBサイトもあります。

そして、グーグルは、
世界中から常に大量のデータを集め、蓄積し、
それを機械翻訳の精度に反映しています。
翻訳の精度はまさに毎秒、向上していると言えるかも知れません。

このように、WEBサイトの多言語化は機械翻訳によって、
大変便利になっており、
さらに今後もその利便性は向上していくと思われます。

かつて、大阪にある堺筋が、機械翻訳で、
筋を単純に英語に置き換えて「マッスル」と翻訳されて、
それが公開されて話題になったことがありましたが、
こういった事例も含めてデータ化されているので、
機械翻訳の間違いについても、急速な勢いで是正されています。

機械翻訳に慣れていない方から、
「一度機械翻訳を使ってみたら、全く使えなかった」
という声を聞くことも多いですが、
使い方に慣れると、機械翻訳でかなりの精度の翻訳を
実現できるようになっています。

今では機械翻訳は、
言語を単語から単語へと置き換えるのではなく、
文章から文章へと置き換えるようになっており、
AIが深層学習で文脈を理解して翻訳するようになっています。

グローバル展開をされている企業の
グローバル人材の方にお聞きすると、
自分で英語を不自由なく使える状況でも、
機械翻訳をうまく使いこなすことで、
文章をより的確に、そしてスピーディに翻訳されているようです。

ただ、機械翻訳がいくら日々精度が向上しているといっても、
限界があります。

グーグルなどの翻訳の場合、
広く一般から集めた大量のデータに基づいているので、
翻訳結果は一般的に無難な内容になってしまいます。
それが、時としてローカリゼーションにとってマイナスの効果を
導くことがあります。

通常、企業では、ある言葉を日本語から英語にする際には、
「当社はこれを使う」といった
自社なりの基準を定めていると思います。

例えば、質感をあらわす「つや」を伝える際に、
Glossがいいのか、Lusterがいいのか、Shineがいいのか、Polishがいいのか、
それとも全く別の表現がいいのか、
それは商品や企業の考え方によって全く異なると思います。
商品を現地で正しく伝えるために、どの言葉を使うかは、
企業として持っているコンセプトに基づいて判断されているはずです。

機械翻訳で十分意味が通じる内容になっているからといって、
機械翻訳の結果をそのまま使ってしまうと、
企業として伝えたい重要なメッセージを伝えることが
できないかも知れません。

例えば、「当社の製品はあなたの生活を豊かにします」
というキャッチフレーズをグーグルで機械翻訳すると、
「Our products enrich your life」
と訳してくれます。
的確な翻訳かも知れませんが、そもそも、その製品にとって
「enrich your life」という表現が
適しているかどうかは、その企業の担当者でないと
わからないと思います。

そして、もしその表現が適していたとしても、
おそらく、ユーザーの受け取り方は、
イギリス、オーストラリア、カナダ、アメリカ、インド、ケニア、南アフリカ
など、英語圏のそれぞれで異なるはずです。

そのために、ローカリゼーションを専門とする会社は、
Post-Editingという
機械翻訳の後、必ず人が、適切な表現に修正するという
プロセスを行っています。

機械翻訳はあくまでツールであり、
それを使いこなすのは人であるということを認識した上で、
活用することが重要であると言えます。

本号の内容は以上です。
引き続き、ローカリゼーションについて継続させていただきます。
来週もよろしくお願い申し上げます。

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2020-02-23 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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