<第25号> GDP その7台湾
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第25号>
GDP その7台湾
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。
訪日外国人客が増えています。
日本人である私が、ちょっと変わったところに行こうと思って、
ガイドブックを購入して訪れた先にも、
必ず外国人の方がいらっしゃいます。
旅は道づれ、と思って声をかけてみると、
なんと、日本にいらっしゃるのは初めてとのこと。
初めての訪日で、東京から新幹線と在来線を乗り継いで、
こんな遠くまでよくぞ一人でいらっしゃった、と、驚きました。
お伺いしてみると、日本の観光名所を紹介するような
WEBサイトがあるようです。
SNSのようになっていて、誰でも記事を掲載できるようで、
有名な観光地ではなくても、訪れてよかった場所についての
情報を得ることができるとのこと。
その方は、お寺で星空を眺めたかったようです。
確かに、星空がよく見えるお寺に関する情報を
ガイドブックで探してもなかなか見つかりませんが、
SNSならば、誰か知っている人が教えてくれます。
私はSNSはあまり得意ではないですが、
こういった活用の仕方があることを知り、
素敵だな、と思いました。
さて、本号は台湾についてです。
台湾からの訪日観光客数は、
中国・韓国について三番目です。
旅先で台湾の方に出会うといつも、
いつも、英語が上手なこと、
日本について知識が豊富なこと、
に驚きます。
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<第25号>
GDP その7台湾
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1972年9月29日、日中共同声明が北京で締結され、
中華人民共和国(中国)と日本国との国交が結ばれました。
それによって、中華民国(台湾)と日本の国交が断絶しました。
そのため、台湾には日本大使館がなく、
公益財団法人日本台湾交流協会が、
ビザ発給など様々な実務や、文化交流といった役割を担われています。
正式な国交がなくても、台湾と日本の経済的な結びつきは
大変強いです。
最近では、フォックスコンで有名な鴻海精密工業が
シャープを買収し、黒字化したことが印象にあります。
それ以外にも、日本の多くの製造業が台湾に拠点を設立しており、
台湾に行くと日本と同じ新幹線が南北を結んでいます。
またASUSやエイサーといった台湾企業の
PCブランドは日本でも有名です。
日本が得意な生産財の分野でも台湾企業が少しずつ力をつけてきています。
工具、ボールねじ、さらには工作機械といった分野で、
日本の高級製品より低い価格のレンジでシェアを拡大しています。
素材の分野でも台塑グループの傘下の企業などが
PC部品や半導体などの産業の強みを生かして、
活躍しています。
日本にとって、台湾は、
よき仲間であり、よきライバルであると言えます。
大手EMSのフォックスコンや自転車ブランドのジャイアントなど、
台湾資本の企業が中国に生産拠点を構えて、
中国での雇用の創出そして経済成長を長い間支えてきました。
日本は台湾に貿易黒字、
台湾は中国に貿易黒字、
中国は日本に貿易黒字、
という三角関係は、その一つの象徴であると言えます。
台湾の対日輸出額は約230億ドル、対日輸入額は440億ドルとなっています(2018年)。
日本の輸出総額が全体で7400億ドルくらいのため、
金額として構成比5%以上を占めていることになります。
日本からEU全体への輸出金額が840億ドルであることを考えると、
台湾がいかに重要な貿易パートナーであるか分かります。
さて、台湾の一人当たり名目GDP(ドル)の推移です。
日本の一人あたり名目GDPを括弧内に記載して、
比較したいと思います。
※単位:ドル/データ:JETROホームページより引用
2009年 16,960 (41,014)
2010年 19,262 (44,674)
2011年 20,912 (48,169)
2012年 21,270 (48,633)
2013年 21,888 (40,490)
2014年 22,639 (38,156)
2015年 22,374 (34,569)
2016年 22,573 (38,805)
2017年 24,390 (38,344)
2018年 24,971 (39,306)
アジアで日本、韓国に次ぐ、一人あたり名目GDPの高さです。
2015年、2016年と少し停滞していますが、
ほぼ安定して成長を続けていると言えます。
その一方で、現在の米中貿易戦争の影響は、
どの国よりも大きいと思われます。
台湾はもともと経済における貿易依存度が高く、
5割以上を占めています。
そのうちで中国向けの比率が最も高く、
2018年で28.8%を占めています。
中国との間の経常収支、貿易収支の
バランスが台湾経済に大きな影響を与えています。
そして、そのことはすなわち、
日本の台湾向けビジネスにも大きな影響をもたらすことになります。
親日な方も多く、日本にとって経済的に重要なパートナーである台湾。
中国の台頭の影響を大きく受ける、
最も身近な存在であると言えます。