<第18号>ブランド その3サンプル
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第18号>
ブランド その3サンプル
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。
あいちトリエンナーレ2019を見に行ってきました。
2010年から3年毎に行われている国際芸術祭です。
「表現の不自由展・その後」が8月3日に展示中止になり、
作品を出展している作家のうち、少なからぬ人数が、
展示辞退を表明しているため、
展示会場の中の多くで、展示内容が変更されていたり、
展示スペースが閉鎖されていたりします。
「表現の不自由展・その後」については、
大きな議論を引き起こしていますが、そのことも含めて、
素晴らしい芸術祭です。
芸術とは何か、を強く感じさせてくれます。
作家の方、芸術監督、企画、自治体、国、参加者。
立場の異なる人々が、すべて「主張」しています。
堂々と主張しているものもあれば、普通の人にはなかなか
気がつかない形で主張しているものもあります。
「主張」には、魂があります。
理屈ではありません。
みんな必死に、表現をしています。
素晴らしい芸術作品は、これまでにたくさん見る機会がありましたが、
「主張」の渦の中に入ったのは初めてという感覚でした。
あいちトリエンナーレはまだ今後、二転三転あるかも知れません。
その度に、愛知に足を運んで、
生の主張を見に行きたいな、と思いました。
さて第18号の内容です。
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<第18号>
ブランド その3サンプル
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前号でブランド価値を高める演出をしている事例として、
ネスレのキットカットと、マンダムの男性用化粧品を
紹介させていただきました。
この2つの事例で共通して使用されているのが
「サンプル」です。
現地の市場を開拓するためには、
サンプルを何時、どこで、どのように配布するか、
といったことは大変重要です。
例えばネスレのキットカットは、
受験生が止まる宿泊施設で配布されました。
受験シーズンには、受験生だけでなく、大学生にも配布したため、
受験生が受験のために大学を訪れる時には、
ゴミ箱には、キットカットの空き箱が
たくさんあったそうです。
これも重要な演出だと思います。
世界一の食品メーカーと雖も、
日本市場を開拓するために
必死になって考えてサンプルを配り、
今の日本市場での高いブランド価値を築いているということがわかります。
アフリカでは味の素の事例をお伺いしました。
味の素の日本人社員が、
現地の人しか行かないような現地のマーケットに行って、
現地の言葉でマーケットの人と交流しながら、
実際にサンプルを配って、その場で味の素を試食してもらうそうです。
それによって、味の素が現地の食べ物にも合うこと、
おいしこと、そして何より、
現地で身近な会社の身近な製品であるということを
現地の人に肌で感じて知ってもらうことができるそうです。
こういったサンプリング活動によって、
いくら高い金額を払って、CMを流したとしても得られない
演出効果を得ることができます。
サンプルを何時配布するか、誰に配布するか、どうやって配布するか?
それを決めるためには、現地でなければ分かりません。
日本で成功した手法が、
嗜好も所得水準も習慣も異なる国で、
そのまま当てはまるとは限りません。
むしろ日本とは全く異なるアプローチが必要になることがほとんどです。
いくらICTテクノロジーが進んだと行っても、
やはり、市場開拓のためには、
最初はいろんなシーンでサンプルを配って、
成功パターンを見出していくことが重要です。
現地市場でブランド価値を高めるための演出の仕方。
その答えは、足を動かして、サンプルを配って、
どろくさい活動をして初めて、得られると思います。
本号の内容は以上です。
来週もよろしくお願いいたします。