<第16号> ブランド その1資産か戦略か

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第16号>
ブランド その1資産か戦略か
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。

「引き寄せる」という言葉があります。
幸運を「引き寄せる」。お金を「引き寄せる」。

実際に幸せな人生を送っている人は、
よいパートナー・よい友人に恵まれて、
まさに幸せを「引き寄せている」と感じます。

スピリチャルな感じもしますが、
私は、この「引き寄せる」という現象は、
必然だと思っています。

学校で学んでいた時代も、社会に出てからも、
たくさんの人と出会っても、仲良くなるのは一握りの方だけです。

仲良くなったのは貴重なご縁をいただいたからなのですが、
そもそものところ、気が合うとか、一緒にいて楽しいとか、
信用できるとか、そういったところが仲良くなった背景にあります。

きっと、幸せを「引き寄せている」人は、
人に幸せを与えるのが好きな人なのだと思います。

人に幸せを与えるのが好きな人は、
人に幸せを与えるのが好きな人を引き寄せる。
そして、そういった人同士がお互いに幸せを与え合うから、
幸せなのだと思います。

商品も一緒だと思います。

使う人のことを考えて、一生懸命開発して、製造した商品は、
大事に使いたいという顧客を引き寄せると思います。
使う人が喜ぶかどうかよりも、どれだけ儲かるか、
ということだけを考えて開発・製造した商品は、
損得だけを考える顧客を引き寄せると思います。

さて、今号から現地市場で受け入れてもらうために重要な
ブランドについてご説明させていただきます。

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<第16号>
ブランド その1 資産か戦略か
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海外市場でも国内市場でも、ブランドの考え方は重要です。

ブランドは信頼・信用を具現化するため、
消費財だけでなく生産材であっても、また原材料であっても
ブランドが大事にされます。

自社の製品を市場に認識してもらう上で、
ブランド価値を高めていくことが、
競争力を高めることになります。

ブランドにはコーポレート・ブランドとプロダクト・ブランドがありますが、
その使い方は各社様々です。

トヨタ自動車には、トヨタとレクサスの2つのブランドがありますが、
この場合のトヨタはコーポレート・ブランドであり、
プロダクト・ブランドでもあります。
トヨタよりも高級なカテゴリのプロダクト・ブランドとして
レクサスが誕生したことは有名な話です。

ヤマハは、コーポレートブランドですが、
楽器のプロダクト・ブランドであり、
バイクのプロダクト・ブランドであり、
船舶用エンジンのプロダクト・ブランドであり、
無人ヘリコプターのプロダクト・ブランドです。

パンパースやファブリーズといった
プロダクト・ブランドはだれもが知っていますが、
この製品が世界最大の消費財メーカーである。
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の
商品であることを知らない人は多いかも知れません。

ネスカフェが世界最大の食品メーカー、ネスレの商品であることを
知っている人は多いと思います。
ネスカフェに限らず、キットカットやミロなど、
ネスレ社のプロダクト・ブランドには、
近くにネスレ社のコーポレート・ブランドが表示されています。

フェラーリ、ポルシェと言えば、高級車のブランドです。
フェラーリは遠くから見てもフェラーリと分かるし、
ポルシェは遠くから見てポルシェと分かります。
一方で、フェラーリもポルシェも、
そのブランド名をつけた自転車があります。
これらの自転車が、他の自転車よりも速いかどうか知りませんが、
いかにも速そうであり、そして高級です。

ブランドとは、生き物のようなものであり、
大事に育てて信頼を高めていかなければなりません。
そういった意味では、市場開拓を行ううえで、
ブランドは最も重要な資産と言えるでしょう。

フェラーリやポルシェのように、
高級スポーツカーの分野で圧倒的な信頼を獲得した場合、
同じブランド名を冠した低価格車を販売すると、
せっかく獲得した高級ブランドの価値を下げてしまうことになりかねません。
しかし全く異なるカテゴリの自転車であれば、
高級ブランドで取り組むことは逆に強みとなります。

ヤマハも同様で、その製品が楽器であろうとエンジンだろうと、
ヤマハ・ブランドに対する絶対的な信頼が確立されています。
その一方で、楽器のヤマハに対する信頼が傷ついた場合、
その影響はエンジンやヘリコプターにも波及する可能性があります。

一方で、P&Gのように、製品毎にブランドを分けていれば、
例えばファブリーズの信頼を損なったとしても、
パンパースやアリエールに与える影響は比較的軽微で済むでしょう。

商品を海外に展開するということは、
ブランドを海外に展開するということであり、
そのことは信頼を得る機会であると同時に、
信頼を失うリスクを抱えています。

大企業であっても中小企業であっても同様です。
次号より具体的な事例をご説明させていただきます。

本号の内容は以上です。
引き続き宜しくお願い致します。

2019-09-01 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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